リーアム・ニーソンの証券会社のトップが車の運転席の下に爆弾を仕掛けられ、こういう時に限って普段反抗している娘と息子が後部座席に座ってしまい、そこに謎の犯人からの脅迫電話がかかってくる。
単純だが強力なシチュエーションとそれに変化をつける小技のバランスが良く、車が走ったり止まったりのメリハリも効いている。
リーアムが息子と娘を守ろうとするパパぶりと証券会社のトップという手を汚す立場の両面を陰影をつけすぎずに演じる。
さすがに御年70歳を過ぎてフィジカルなアクションはムリだが、座りっぱなしのアップ主体でこなせるシナリオを選ぶ選球眼は確か。
後で考えると出来すぎじゃないかと思えるところもあるのだが、91分というコンパクトな尺を勢いで押し切るところが頼もしい。
スタントに何十人もの名前が並ぶのも昔のアクション映画風。
ちょっとひっかかったのは、屋敷の敷地内に車があるのに、わざわざ路上に出ている車に乗り込むこと。
スペイン映画「暴走車 ランナウェイ・カー」のリメイクだという。ドイツや韓国でもリメイクされているというが、どれも未見。
舞台がベルリンなのだが、ドイツ版リメイクはどうだったのだろうか。まあ、どこの都市でなければ成立しないという話ではない。