冒頭でかなり大きな船が川を上っていくので時代設定がどのあたりなのかわからなかったが、やがて19世紀の開拓期のアメリカに移ってくる。
ビーバーの毛皮や貝殻が物々交換で貨幣代わりになっていた頃の話で、雄鹿の毛皮buckがそのまま通貨ドルの意味になった例を連想した。
主役二人の会話にアメリカ以外も入ってくるところで、ロシアが版図を広げていく過程は毛皮を採りながら森に進出していく過程でもあったという話も連想した。
前半で野生のキノコを採るシーンがあって、毒キノコではなかろうなとひやひやした。ずいぶん死んだ例もあったのではないか。
ドーナツを作るミルクを絞る牛は金持ちの持ち物と、持つ者持たざる者の断絶があるわけで、金持ち役のトビー・ジョーンズはヒッチコックの役などもやっていたイギリス人くさい役者。
主役二人のうち一人は中国人で、中国人が大陸横断鉄道の建設に大勢従事したのは有名だけれど、先住民が屋敷にいたり、ディテールひとつひとつに大きな状況が自然に見えてくる。