ヒロイン(監督のシャンタル・アケルマン自身)のストップモーションの連続から始まる。
やがてベッド代わりのマットレスでごろごろ寝転がって、書いた手紙を床に並べ紙袋に入った砂糖をスプーンで掬って食べたりとえんえんととりとめなくだらしのない姿を見せる。
上映時間で30分を過ぎたあたりから外に出る。
トラック運転手の男と並んで黙って食事する間ずうっとテレビの音がオフで聞こえてくる。
もう少しあとで男と相対して座る。背景に水槽が見える。
明らかに運転したまま性器をしごかせているのだがヒロインの姿はオフになっている。
このあと出てくる女とはあからさまな性交描写が出てくる。通して見ると、最初は一人きりだったのが次第に他者との関わっていく。通常だったらドラマが始まるところでぷつっと終わるという構造になっている。
ひとりきりから始まり、ふたりいるだけという関係から、他者と相対するに至る、徐々に人間関係が積み上がっていく展開。
白黒、スタンダードサイズ。