ヤクザが親分のために敵に殴り込みをかけて懲役に行き、その間に愛人が女の子を産んでというお話は日本のヤクザ映画にもありそうだけれど、全体にずいぶんスマートになって泥臭くない。
留守にしている間にボスがずいぶん出世していて、誘いを断って足を洗うのはいいが、洗った後どうするのかよくわからない。
下っ端の敵ばかり相手にしていて大物がすっぽ抜けているのはどうかと思う。ヤクザ映画だったらラスボスにこそ殴り込みをかけるところではないか。
愛人(これまたスマート過ぎるが)が早く死に、残された幼い女の子を元ヤクザが守るというのが邦題の由来だろうけれど、この女の子に対する態度が自分の素性を明かすでもなく明かせないのを苦しむでもなくで、なんだか曖昧。
ノリで犯罪を犯罪とも思わないで行うような軽薄なカップルが敵にまわるのだが、男の方はモデルガンみたいな銃をやたら乱射して、女の方は爆発物をいじる。
なんだか素人くさい(特に男)のと、元ヤクザの方でむやみと暴れるかと思うと隙だらけになったりと、どうにもやることにムラが目立つ。
良くも悪くも型にはまったものになりそうで、型から外して失敗に転ぶというのも珍しい。