prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ルート・アイリッシュ」

2018年05月09日 | 映画
タイトルになっているルート・アイリッシュとは、2003年の米軍によるイラク侵攻以降にバグダッド空港と米軍管理地域グリーンゾーンを結ぶ、12キロにおよぶ道路の通称。米軍の要人を狙ったテロの標的になることが多く、世界一危険な道路と呼ばれている。

戦争で傷ついた元兵士が戦友が理不尽な死に方をしたのがきっかけで反撃を開始する、となるとアメリカ製アクションだったら「ランボー」みたいになってもおかしくないが、ケン・ローチ監督となると重い展開になる。

主人公がベランダからライフルにつけたスコープで眼下の道を行き交う通行人を狙う、という「シンドラーのリスト」ばりの不気味なシーンがあったりする。

仰向けに拘束した捕虜の顔の上に布をかぶせその上から水を注ぐという拷問が見られるけれど、これ実際にやられる俳優は大丈夫なのだろうか。何かトリックがあるのか。

「ルート・アイリッシュ」 公式ホームページ

「ルート・アイリッシュ」 - 映画.com

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5月8日(火)のつぶやき

2018年05月09日 | Weblog

5月7日(月)のつぶやき

2018年05月08日 | Weblog

「一億玉砕」

2018年05月06日 | 小説
現代の東京。人、人、人。
レストランにコンビニにあり余る食べ物。
走り回る各種の交通機関。
東京湾上空に、飛び上がって行く、ジャンボジェット。
ジェットの客の視点から、湾を出入りする大小の船がばら撒かれたように見える。
ジェットは雲に入り、視界が白く濁る。
雲の上に出る…。
と、零戦がジェットと平行して飛んでいる。
客「…零戦?」
日の丸を胴に染め抜いた、紛うかたなき零戦。
すうっと零戦はジェットから遅れ、視界から消える。
客「航空ショーでもやっているのかな」
突然、衝撃が走り、ジェットが大きく傾ぐ。
零戦がジェットの翼に機銃掃射を浴びせている。
たちまち、火を噴くジェット。
みるみる高度を下げ、湾に落ちて行く。
東京湾に浮かぶタンカーにジェットが落ち、火山の爆発かと見まごうばかりの火と煙を吹き上げる。
ジェットを撃墜した零戦、そのまま機首を曲げ、東京の街に突っ込んで行く。
雲の中から、すうっと何十機もの零戦が姿を現わす。
渋谷・スクランブル交差点
「戦争反対」と幕を広げている団体。
その向こうで右翼の街宣車ががなっている。
空の彼方にぽつんと零戦が現れ、みるみる大きくなる。
人ごみの上に機銃掃射が走る。
朱に染まった「戦争反対」の幕が破れ、ちぎれた腕がその向こうから飛んでくる。
爆発する街宣車。
国会議事堂はあたかも、会期中。
一機の零戦が現れ、みるみる近付いてくる。
胴に爆弾をくくりつけている。
見ている、警備の警官たち。
近付いてくるのが何であるか、見てはいても理解できていない。
そのまま特攻式に議事堂に突入する。
議員たちが、閃光に包まれる。
靖国神社に奉納されている絵馬の群れ。
零戦・コックピット。
「…帰って、きたぞ」
靖国神社に特攻式に突っ込むする零戦。
火柱が噴き上がる。

5月5日(土)のつぶやき

2018年05月06日 | Weblog

「ダンガル きっと、つよくなる」

2018年05月05日 | 映画
インドで「巨人の星」をリメークしたアニメが作られたことがあるというが、スパルタ親爺が子供を鍛えて夢をかなえようとするのはこれも一緒。
やや違うのは、一応実話ネタ(主要人物三人以外はほとんど創作とタイトルが出る)であることと、子供が女の子だということ。

インドの男尊女卑は言っては悪いが有名で、前に見たドキュメンタリーで代理母出産した女性が受け取るべき報酬が、女性は銀行口座を作れないので夫の口座に振り込まれ、みんな夫が使ってしまうというヒドいのがあった。

「バーフバリ」もそうだったけれど、さすがに最近のインド映画の作り手は世界的なフェミニズムについても知った上で作っている感じはある。

スパルタ式に鍛えられた子供も、いずれは親の手を離れなくてはならないわけで、そのあたりの処理をかなり強引にだけれどやりきっている。
(☆☆☆★★)


「ダンガル きっと、つよくなる」 公式ホームページ

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5月4日(金)のつぶやき

2018年05月05日 | Weblog

「さよなら、僕のマンハッタン」

2018年05月04日 | 映画
時代設定はウディ・アレンが最もニューヨークべったりだった時代のような感じだが微妙に違う。シナリオが書かれてからかなり時間が経ったせいもあるのではないか。

出版界が先細りとはいえ経営者の自宅や社長室の調度品などずいぶん贅沢で、この映画自体はAmazonが製作というのが、何か皮肉。

父の愛人ケイト・ベッキンセールと出来てしまう話となると、ツルゲーネフの「初恋」みたいでもあり、それをさっさと先回りするような展開が意表を突く。

ジェフ・ブリッジスの無精ひげがいつも同じ長さで止まっている不思議。
違う意味でヘアメイクの腕の見せ所なのだろうな。
(☆☆☆★)

「さよなら、僕のマンハッタン」 公式ホームページ

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5月3日(木)のつぶやき

2018年05月04日 | Weblog

「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」

2018年05月03日 | 映画
まるでブルワーカーの使用前と使用後のような貧弱な坊やがロック様に、女子高生がジャック・ブラックにといったゲームのキャラクターと現実のキャラクターとのずれが大いに笑わせる。

ドゥエイン・ジョンソンやカレン・ギランみたいに生身の身体そのままでゲームのキャラクターみたいに現実離れしている人間が実在しているのが凄い。
その現実離れした感じをうまく笑いに生かしていて楽しい。

ゲームの世界と現実の関係が昔の「オズの魔法使い」みたいなクラシックな感じもあって、ゲームに馴染みのない者でもとっつきやすい。
(☆☆☆★★★)

「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」 公式ホームページ

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5月2日(水)のつぶやき

2018年05月03日 | Weblog

「誰かに見られてる」

2018年05月02日 | 小説
 ポストの中に入っていた何も書いていない大判の封筒の中には、ポストの前にいる私の写真が入っていた。
 目をこらして確かめたが、横顔も、着ているブラウスもスカートも確かに私の持っている、それもお気に入りの服だ。
 夜にかなり離れた場所から撮ったものらしく、全体にモヤがかかったようになっていて画面もザラついた感じだったが、確かに私の写真だ。
 足が震えてくるのを感じながら、私はどこから撮ったのか、それらしい角度に顔を向けた。私のアパートは交差点の角にあるが、その斜向かいの奥まったあたりの別のアパートがそれらしい。
 灯りがついてはいるが、遠目からはまるで何も見えない。その暗がりの中で、何かが光ったような気がしたが、目をこらしてもやはり何も見えなかった。
 私は震える足を励まして自分の部屋に向った。封筒は投げ捨ててしまった。
 鍵を開けるまでの時間がおそろしく長く感じたが、とにかく自分の部屋に入って中から鍵をかけて一息ついいた。
 誰がこんなことをしたのか。心当たりを考えてみた。このところネット上で粘着されたような覚えはない。それらしいことをしそうな元カレもいない。
 ふとベッドの上を見ると、また上書きのない封筒が置いてある。
 いやな胸騒ぎを感じながら、それでも封筒の中身を出して見た。
 やはり、ベッドのそばにいる私の写真が入っていた。すぐそばでカメラを構えて撮った写真だ。今の私そのままの服装だ。
 私は、写真に撮られた方向に顔を向けた。
 誰もいない。
 それでもどうにも気になって、写真が撮られたであろうあたりに立って、ベッドの方を見てみた。
 ベッドの傍らには私が立っていた。写真そのままのポーズで、私と同じ服装で。
 私は、ゆっくりとスマートフォンを出して私に向けた。

「黄金の指」

2018年05月02日 | 映画
ジェームス・コバーンがスリの名人、ウォルター・ピジョンがその長年の相棒でこの年配ふたりにマイケル・サラザンとトリッシュ・ヴァン・ディーヴァーの若いカップルの四人のドラマだが、サラザンがまったくの青二才でコバーンの貫録に負けっぱなしで、若い美人の彼女のディーヴァーもなびいてしまう、
という展開になるのだが、そこからのひねり方がちょっとこれ違うのではないかと首をひねった。
端的に言って、サラザンが絡んだ展開になっていない。

見せ場のスリのシーンは静かな手際の良さが命なだけに、商業映画でもブレッソンの「スリ(掏摸)」的な簡素さに自然に寄ってしまうのが面白いところ。

カモの眼を引き付けて油断させる美人役のトリッシュ・ヴァン・ディーヴァーが本当に美人で、登場シーンあたりは普通のいでたちなのがカモの眼を奪う役に入ってからはホットパンツやミニスカ、テニスルックといった、いかにも目を引く恰好をするのが観客サービスにもなっています。

ジョージ・C・スコットとこの前年に結婚していたのだが、死別するまで一緒だったのね。「チェンジリング」など共演作も多い。

昔の地上波用に作られた吹き替え版での放映。ジェームズ・コバーンは小林清志、マイケル・サラザンは安原義人。
懐かしいというより、このあたりの声優の吹き替えだと慣れ親しんだという感じになる。

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5月1日(火)のつぶやき

2018年05月02日 | Weblog

2018年4月に読んだ本

2018年05月01日 | 
prisoner's books - 2018年04月 (21作品)
真実
真実 梶芽衣子登録日:04月24日

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通常の伝記かと思って読んだら、かなりの違和感があった。江利チエミと結婚していた時期にチエミの異父姉(本当にそうなのかも実ははっきりしない)が家に入り込んで、それまで貧しく過ごしていた恨みを晴らすかのようにマネージャーを務めていたチエミの兄に女をあてがって結婚させ追い出し、高倉・チエミの稼ぎをどんどん使い込んでいくあたりはほとんど楳図かずおかと思うような不気味さ。週刊誌を騒がせた晩年の養女の騒動も似たところがあって、親戚が誰も知らない間にいつの間にか養女になって遺産を継いだばかりか、遺された車やクルーザーをオークションにかければずっと高く処分できるのをとにかく金に換えるのを優先させたように売り払い、信心深かったという高倉の墓も作っていないというあたり、ひどく気味悪い。Amazonの星取でひどく不評が目立つのも、そういう違和感のせいだろう。そして結局使い込んだらしき相手がどうなったのか、どういうつもりだったのかわからないままというのはひどくもやもやした気分になる。高倉の父親が朝ドラ「花子とアン」で有名になった炭鉱王伊藤伝右衛門の所有する炭鉱で監督を務めていたとは知らなかった。