prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「アクアマン」

2019年02月21日 | 映画
大半のシーンが水の中で、揺らいで適度に霞んでいて重力がなくなっている幻想感の一方、すごいスピード感も表現している目新しさが魅力。
一種のもうひとつの宇宙といってよく、動くのに抵抗がある分、パワフル。

冒頭の「サイボーグ」のエピソードが中盤とラストと顔を出すのだけれど、これはアクアマンの方がいささか非情に過ぎたし続編につなぐにはキャラクター描出がこのままでは弱い感じ。すでに「ジャスティスリーグ」に出ているみたいだけれど、もともとなじみがないし。

昔だったらワイプを使うような場面転換でデジタル技術を駆使して時間と空間をとばしてシームレスにつなぐ話法でストーリーの運びをスピードアップしている。

静かなしみじみとしたシーンが続くかと思うと、いきなりドカーンときて急展開が何度も繰り返され思いきったメリハリをつけている。

「アクアマン」 - 公式ホームページ

「アクアマン」 - 映画.com

2月20日(水)のつぶやき その2

2019年02月21日 | Weblog

2月20日(水)のつぶやき その1

2019年02月21日 | Weblog

「洗骨」

2019年02月20日 | 映画
亡くなった人の骨を四年後に掘り返して洗う、という今でも実際にやっている儀式に、故人の妊娠中の娘が出る、という設定ですでに死と生との対照と並置というモチーフが図式的なくらい明確に出ているのだが、それが沖縄の燦々とした日の光のもとで笑いを混じえてなんとも豊かな映像と生命感をもって描かれる。

ガレッジセールのゴリが本名の照屋年之で監督脚本を担当しているのだが、肉親の死とフィジカルに接するもろに重く場合によっては陰鬱にもなりかねない場面でツッコミが入るように笑わせるセンスとバランスのとりかたが実にいい。
吉本興行で何人もの若手芸人に短編映画を撮らせた試みをやったうちから大きな成果として結実した感。

道端につながれている山羊が何度も写され、人間たちの営みを横から見ているようなニュアンスの面白さ。

すでに生まれている小さな男と女の子供ふたりが妊娠しているお腹に対して見せる態度の違いがすでに男の女性に対する怯えに近い感じを出した。

唯一の本土人に鈴木Q太郎を置いてこの特異な風習に対する外からの目と観客とのブリッジ役と当然ながらお笑いのネタにしている。

作中で島の東は生きている人の村、西は墓、という具合にわかれていて道に子供の遊びのように置かれた境界を超えると生死の境を超えたことになる、生死が分断せず地続きになっているのを画にしている。

骨を洗う、という行為が死んだ者も生死の連なりの中にいるという世界観としてあるのがラストできっちりと結実する。

奥田瑛二のアル中親爺が飲んでいる琉球泡盛が「久米島の久米仙」という銘柄がはっきりわかるように撮っていてエンドタイトルの協力の中にも名前が見えるのだが、あれ宣伝になるには違いないが問題にならないのかと余計な心配をした。

「洗骨」 - 公式ホームページ

「洗骨」 - 映画.com

2月19日(火)のつぶやき

2019年02月20日 | Weblog

「シンクロナイズドモンスター」

2019年02月19日 | 映画
原題はColossal=巨大な, 途方もなく大きい, 並はずれただけれど、邦題の方がむしろ内容をよく表している。

アン・ハサウェイがもろに「レイチェルの結婚」を思わせる、というよりセルフパロディに近い故郷に帰ってきたアル中女を再び演じていて、ソウルに突然出現したモンスターがなぜか彼女と動きがシンクロしているのに驚くし、彼らのまわりの男たちも驚く。

まず奇想天外さで引き付けるのだが、そこからどう収めるのだろうと思ったら意外なくらい普遍的な男性(原理)の横暴と抑圧というテーマに収斂するので二度びっくり。

部屋の中をぐるっとパンするといったんフレームアウトしたハサウェイが違うポーズと角度でインしてくるので一瞬ハサウェイが分裂したみたいな錯覚を覚えさせるタルコフスキーばりの技巧を使っていたりする。



2月18日(月)のつぶやき その2

2019年02月19日 | Weblog

2月18日(月)のつぶやき その1

2019年02月19日 | Weblog

「メカニック ワールドミッション」

2019年02月18日 | 映画
一応前作のステイサム版「メカニック」はチャールズ・ブロンソン主演作のリメイクということになっていたが、ブロンソン版ではありえない続編のこれはもうまるっきり関係なしの無敵ステイサム印。

引退状態にいた凄腕の殺し屋ステイサムが恋人のジェシカ・アルバを人質に取られて強引に殺しの仕事を引き受けさせられ、刑務所にいるターゲットを潜入して殺すほか、不可能ミッションを次々と成功させながら人質救出に向うという、よくある話。

全体としてはよくあるとはいっても、空中に突き出た高層ビル最上階のプールの底に迫る殺し技など細部に凝っていて楽しめる見せ場もあるが、悪者が人質をとっている割りに生かそうとせず、アルバがただ人質にとられているだけでなく自力でなんとかしようとするのは今どき当たり前だけれど、あまり役にたたず中途半端。

とはいえ、安心して景気のいいドンパチを楽しむには十分。

「メカニック ワールドミッション」 - 映画.com

メカニック:ワールドミッション(字幕版)
主演 ジェイソン・ステイサム

2月17日(日)のつぶやき その2

2019年02月18日 | Weblog

2月17日(日)のつぶやき その1

2019年02月18日 | Weblog

「宇宙からのメッセージ MESSAGE from SPACE」

2019年02月17日 | 映画
「スター・ウォーズ」第一作が1977年のサマーシーズンのアメリカ本国で映画史上最大の大ヒットになってしかも日本公開が翌年の夏と一年も間が空いてしまったものだからその前に素早く製作公開された亜流映画が二本、東宝の「惑星大戦争」(スターウォーズの当初の邦題)、そして東映製作のが本作。

こういう便乗企画というのは今ではまあ見られないが、それだけ素早く製作するには撮影所の量産システムが整っていて人がぱっと集まって作れる基本があってのことではないかと今になると思える。

そういえば「スター・ウォーズ」の特撮でシュノーケル・カメラが話題になっていて、ここでパクるにあたってむしろ本家より大々的にやっているのがご愛敬。

あまりに当時の東映カラーが強くて今の日本とは別の国のようでセリフが日本語でなかったらアジアの未知の国の謎の大作にすら見える。深作欣二としては後年の「里見八犬伝」につながるところもあるのだろう。

見ようによっては泥臭さ含めて案外今の戦隊ものとつながるものもないではない。ただ男優たちの油っこさがとにかく同じ民族とは思えないくらい。

当時十九歳の真田広之の宇宙暴走族って、今となっては、暴走族って何?くらいの感じではないか。




2月16日(土)のつぶやき その2

2019年02月17日 | Weblog

2月16日(土)のつぶやき その1

2019年02月17日 | Weblog

「赤い雪 Red Snow」

2019年02月16日 | 映画
タイトルからして白と赤のコントラストを強調した映像なのかと思ったらなんともいえない赤錆みたいに濁った色調で統一されて、まあ内容ともどもしんねりむっつりして陰鬱。

謎解きの魅力を追っているわけではないのはすぐ見当がつくが、加害者の娘と被害者の弟とが交錯して過去の惨劇が再現されるという物語の構想の割りに映画的イメージの方があまり重層的にならない。

「赤い雪 Red Snow」 - 公式ホームページ

「赤い雪 Red Snow」 - 映画.com