暑さで外にいると気が朦朧とする。
今日も本当に暑い一日だった。
徹夜明けで7時過ぎまでキーボード叩き続けて
洗濯物だけ干して朝食も取らずに家を出た。
今日は母の病院へ行く日だった。
7時55分である。
電車の中で気になるメール2件送るとホッとして
携帯電話を持ったまま爆睡。
乗った電車は和歌山駅止まり。
横のご婦人に「終点ですよ」と言って起こされた。
完全にノンレム睡眠の中にいた。
病院に着いて待合室のロビーで血圧を測定したら
上が80で下が57だった。
体は全然平気でもこの数字に気持ちが凹み元気を奪っていく。
でもおかしなもので母の顔を見るとシャキッとする自分。
病室ではシャキッとせずにはいられない。
先ずは母の愚痴三昧を聞く。
合図地を打って、なだめすかして、話を盛り上げる。
相手はバカでも子供でもない。
私より色々覚えているではないか。
だから嘘や誤魔化しは通じなくて、結構本気で向き合う時間。
親子の立場が完全に入れ替わっている状態は娘としては切ない。
車椅子を押しながら病院の近くに散歩に連れて行く。
帽子を被せれば暑くても平気。
少しでも外の空気をと思う。
スーパーマーケットの食品売り場で母の好物を一緒に選ぶ。
お刺身、焼き鳥、わらび餅、いちじく、プリン・・・
「これお昼に食べよう。これも、これも、これも・・」
こんなの一口しか食べられない。
けれど棚からスーパーのカゴに入れると母が一瞬笑顔になる。
男の三欲は「飲む、打つ、買う」と言われる。
人間の三欲は「食欲、睡眠欲、性欲」
そして最後に残るのが食欲かもしれない。
病人には美味しいものを食べさせてあげようと周りが思うのも
きっと食べられるまで美味を味合わせてあげたいと思うから?
買ったものを小さなテーブルに並べて一口ずつ母の口へ。
「美味しいね」は幸せの代名詞。
そんなことを思いながら一緒にお昼を食べる。
帰りはデパ地価で食料品を買い込んで外に出た。
この暑いのにぬいぐるみを着た人がいた。
新しいお店をオープンしたとかで、粗品を配っていた。
「写真撮らせてくれる?」って言うと「OK」のサイン。
色々にポーズしてくれて私を笑わせてくれた。
「トラちゃん、このまま首位を守ってね」と言うとまた「OK」のサイン。
今日はこの人に癒されて・・・
缶コーヒーとクッキーとポケットティッシュとをもらって来た。
暑い一日であった。