晴れ、28度、91%
海外でも、中華圏に生活をしていると、お米、お豆腐の心配がありません。これは、日本人にとってはありがたいことです。香港は、お豆腐の種類にいたっては日本よりも多く、ごく柔らかいものから硬くて五香(ウーヒョン)の香りの付いたものまであります。
お豆腐を作るひとつ前の段階で作る湯葉、日本では精進料理や会席料理にと高級なイメージでハガキより小さな板湯葉が、何百円で売られています。ところが中華調理では、これはごく普通の食材、煮物、揚げ物、スープに、はてはお汁粉の浮き実にまで湯葉は使われます。乾燥されたもの生のもの、形も板状から棒状まで様々。しかも、お値段はずっと安く、浴衣の帯ぐらいの乾燥湯葉は、140円ぐらいで手に入ります。湯葉が大好きな私にとって、こんなに嬉しいことはありません。重箱の隅に、小さく巻かれた湯葉などを食べても、湯葉の味すらしないと思うほどです。
板状の乾湯葉は、戻したらたっぷりのお出汁とみりん、淡口醬油で炊き上げます。全く日本風です。それをお鉢にこんもり盛りつけて、心行くまで食べます。満足。
ところが日本人の方、香港のお豆腐も湯葉も臭いとおっしゃいます。大豆の匂いではありません。確かに何か臭いと敬遠する匂いです。中華料理では、その臭いも消えてしまうほど、ニンニクやしょうがを使います。ところが繊細な日本料理風にすると、その匂いが鼻につくのです。だからお豆腐は奴ではいただけません。美味しいものを食べてい一心で、あれこれ湯葉を試してみました。最近やっと、生湯葉も乾湯葉も臭みのないものに出会いました。私は臭みの一因はお水ではないかと思います。
夏になると生湯葉をたっぷりと使って、キュウリ、大根の千切りと合わせます。時には家の大葉を刻んだり、この日は山椒の実を添えました。味付けはお好みで、鎮江の黒酢、すりごまでいただきます。
湯葉をたくさん食べれるなんて、ほんとに満足。