晴れ、7度、69%
夏は白ワイン、寒くなると赤ワイン。この10年近くこのパターンです。人とご一緒でない限り家族内では他のお酒をいただきません。お酒の量は減って来ました。毎日いただきますから、大したワインではありません。それでもグラスを変えるとワインの味、香りが俄然変わって来ます。
先日、主人と岸田劉生展に行きました。その帰り、まだ日もある内からワインを一杯飲みました。「エノテカ」というワインショップの一角にハイチェアとカウンターがあり軽いおつまみとワインがいただけます。ワインの角打ちです。主人が白、私は赤を注文しました。若い女性の店員さんがサーブしてくれます。白を頼んだ主人の前には胴膨らみのやや大きめなグラス、赤の私の前にはほっそりしたグラスが置かれました。主人も私も「間違いかな?」と思ったのですが注がれたのは主人が白、私が赤でした。若い女性の方なのでグラスを取り違えてかと訝しく思います。主人が「どうして白にこのグラスなの?」と尋ねてくれました。若いお店の方、的確に即座に香りの広がり方を説明してくれました。白ワインでも胴張りのグラスを使うことで香り最初に舌に乗る酸味を加減してくれるのだそうです。ワインを熟知して楽しむとこういう域にまで達するのでしょう。
家にはワイングラスは人数分の用意があります。種類は少ないのですがいくつか持っています。 グラスの値段ではなく形状はワインの味を変えてくれます。お安いワイン専門の私にとってはグラス様です。それでもバーベキューなどの野外でのご飯の時は普通のコップで飲むことも、それはそれなりに雰囲気が醸し出すいい味に変わります。
ワインだけではなくお酒全般にデリケートな味を楽しむには器の力が発揮されるように思います。ぐい飲みだって深いもの浅いものきっとお酒の味が違うはずです。ワインが飲めるうちはこのグラスでの味の違いも楽しみの一つです。