チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

義父の懐中時計

2019年11月04日 | 日々のこと

曇、16度、78%

 一昨日、義母は久しぶりに家に帰りました。今週末の老人施設への入所を控え、持って行くものを準備するためです。貴重品の管理を私に任せてもらうことも目的でした。お役所の届出の時、「マイナンバーは?」と尋ねられます。マイナンバーのカードも私が保管しようと思いますが、そのマイナンバーのカードが見つかりません。義母はどんなカードだったかも思い出せません。挙句に「そんなものもらってない。」とまでおっしゃいます。義母は椅子に座ってもらい、「あそこの引き出しは?」「その棚の箱の中は?」と指示してもらい私が開けました。

 紙箱を開けると塗りに「桐紋」の小箱が入っていました。 我が家の家紋は「梅鉢」です。「お母さん、これ何?」「さあ?何やろう。」開けてみると金の懐中時計が入っています。「内閣総理大臣 贈」と書かれています。宛は義父の名前です。「俳句でいただいたのかしら?」と聞いても義母は「覚えとらん。」

 一度も使った形跡はありません。真っさらな金色の懐中時計です。義父は俳句で晩年数々の賞などをいただきました。ちっとも「賞」を気にかけている様子はありません。それでも時折、「東京まで〇〇賞をもらいに行ってきた。」と話してくれました。その時の様子は誇らしげでした。私が見てもあまり良いものとは言い難い総理大臣からの賜り物です。何時頂いたのかも、誰が総理大臣だったのかもわかりません。長いこと箱に入ったままです。義父はどんな思いでこの懐中時計を手に取ったのか、今は想像するしかありません。

 義母の探し物でたくさんの副産物が出てきました。人前ではしっかりした義母ですが、ずいぶん物忘れが激しくなって来ています。今週末の入所を決めたのは義母自身でしたのに、昨日は「今から行くの?」と聞きます。でも、まだ大丈夫、お金の管理だけはしっかりしています。「マイナンバーのカード」はまだ見つからないままです。

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