晴れ、27度、88%
我家の鉢置きで、鳥たちにえさを与えはじめたのはかれこれ10年近く前からです。まだ、イチジクの木があった頃からです。一夏に5個も実を付ければ精一杯の鉢植えのイチジクです。その実にある時くちばしで突いたあとがありました。私の大事なイチジクです。イチジクを守るために、イチジクに木の下にパンくず入れを作りました。しめしめ、鳥たちはイチジクではなくパンに惹かれるようになりました。ところが夏が終わって、イチジクがならなくなっても鳥たちはやって来ます。以来、私が焼くパンはモモさん、私、鳥たちで分けていました。そのうちにイチジクが枯れました。来る鳥は、コウラン、白頭の2種類だったのが、ハトが来るようになりました。ハトが来ると、スズメも付いてやって来ます。
2年ほど前からはコウランが巣立ち前のひなを連れて来るようになりました。コウランは、私が手を出しても逃げません。ほんとによく慣れました。私の姿が部屋にちらつくと、きれいな鳴き声でえさを催促します。朝などは、大きな口の主人に、中くらいのモモさん、小さな口の鳥たちと、私はみんなにえさを運びます。座っている暇なんてありません。もちろん、その合間を縫って自分の口にもご飯を放り込みます。
こうして、小さいながらも我家の鳥たちの世界は何らかの秩序を持って生活していました。それがこの夏の初め、ひなが孵った頃から来る鳥たちの顔ぶれが変わりました。まず、ハトが4羽に増えました。ハトはつがいで行動している様子はありません。4羽がお互いに牽制します。コウランがひと回り小さく見えます。子育ての頃は痩せるものですが、手を出すと逃げるところを見ると、別のコウランに違いありません。このコウランが2つがい。そしてスズメたち。このスズメも外で見るスズメよりひと回り小さく、きっとまだ巣立ったばかりのスズメです。
主人が鳥の寿命は短いから世代交代が早いのだと言います。調べてみると、スズメはかえって1年以内に70%が亡くなり、コウランは、8年近く生きるそうです。ハトにいたっては10年は野生でも行きて行くそうです。そうなると、この春はコウランの世代交代だったのですね。
コウランとハトがえさ籠で仲良く餌をついばんでいます。 スズメがハトが散らかすえさを待っています。
このひと月ほどで、この鳥たちも序列が出来たようでけんかがなくなりました。台風が来るといえば、えさをたくさん与えます。冬は木の実が少ないだろうと、えさをたくさん与えます。今では、私のパンでは追いつかず、スーパーでパンを買って来る始末です。
見出し写真のコウラン、香港では一般的な鳥ですが鳴き声が澄んでいて、心地よく思います。見た目も、冠といい、尾っぽのオレンジ色といい可愛い鳥です。