晴れ、23度、60%
我が家の普段の夕食時,つまり主人とモモさんと私の3人での夕飯です。モモさんは私たちと同じ物を食べます。非常に薄味にしています。時には塩なしの食べ物まであります。調理法も煮る、蒸す、焼くが主体です。モモさんは主人と私の中間に,つまりテーブルの角の床に座ってご飯を待ちます。ご飯が始まると、主人の椅子をカリカリ。すると,主人にゆっくり食事をして欲しい私からお肉やお魚,チーズがモモさんの前にあるお椀に落とされます。噛みもしないでゴクン。また忙しなく,カリカリ。すると慌てて私がお椀にポトン。モモさん,ゴクン。カリカリ,ポトン,ゴクン。これが続きます。モモさんは主人の椅子をカリカリする事で,私から食べ物がもらえるという図式が叩き込まれているようです。時には,主人の椅子をカリカリしながら,私の方をチョイと見たりします。いやはや,悪習慣です。当然私は自分もお腹が空いていますから,自分の口に物を放り込んではモモさんにポトン。主人の話も聞いてやらなくてはなりません。背振山に絶滅したはずの熊が出現したなど私には興味の無い話ですが,拝聴いたします。途中、ドレッシングを取りに台所に行ったりと,ゆっくりと夕飯を味わう間もありません。ところが不思議な事に主人が留守でモモさんと二人の夕飯は,のんびりと食事が出来ます。モモさん,私から食べ物がポトリと落ちて来るまで辛抱強く待ちます。絶対に私から食べ物をもらえると知っているモモさん,二人のときは決してカリカリなどしません。
たまに主人と二人で夕飯に出かけると,ほんとにゆっくりと食事が出来ます。2日前の日曜日、主人がモモさんも連れてお外にご飯に行こうと言います。香港、ここ数年前からほとんどのレストランは犬を連れて入るのが許されません。アウトドアースペースがあるレストランは,外のところだけ犬が入ってもいいようになっています。モモさん連れで行くとすれば,ピークのピークカフェぐらいですが,いかんせん人気のレストラン,前日の予約でも席がとれません。我が家すぐ近くの,メキシコ料理のインド料理も店の前にテーブルを出しています。ここなら確か犬を連れて行っても大丈夫。香港も日が沈むと涼しくなります。クラーなしでも平気です。
久しぶりの3人でのお外ご飯,近場ですが喜んで準備をします。やはり何かとお店の人には迷惑をかけられません。持ち込みのワインなんかしっかり選んでいる主人。「久しぶりだね,嬉しいね。」とモモさんに話しかけながらワクワクする私です。
なんだかお外に行けばゆっくりご飯が食べられると思い込んでいる私、すっかり当てが外れました。それはそのはず、主人がいます,たとえお外でも家の夕飯と同じ事になってしまいました。インド料理の店先のテーブルに座って、モモさん,カリカリ。私が慌ててポトン。モモさんゴクン。
11年続いている我が家の夕飯の光景です。ゆっくりご飯が食べたいなあと思いますが,モモさんのお顔を見てると,こうして元気にご飯を食べてくれる事に感謝します。考えてみれば出張の多い主人です。主人がいなければ,カリカリの催促はありません。さあ、今晩はゆっくりご飯が食べられそうです。