気ままに

大船での気ままな生活日誌

ルバイヤートという名のワイン

2012-09-04 12:21:01 | Weblog
昨晩は、上大岡でミニクラス会があり、しこたま飲んでしまった(汗)。多少、頭がうすぼんやりしているので、今日のブログ記事は、お酒の話題でおちゃけを濁そうと思う。

先日、昨日とは別のミニクラス会の飲み友達から”ルバイヤート”という名のワインがおくられてきた。なななんとな、ルバイヤートとな。ぼくはのけぞってしまった。それにしても、うまい名前をつけたものだ、と感心した。だって、ルバイヤートとは”呑み助礼賛”の詩集の書名だから。

ぼくが、この詩集を知ったのは、彼が飲み友達には必ずプレゼントしているという、オマル・ハイヤーム作”ルバイヤート”(小川亮作訳)の文庫本を手にしてから。たぶんその時のこともブログ記事にして、その本の紹介もしていると思うが、再度、簡単に述べておこうと思う。

著者のオマル・ハイヤームは、十一世紀のペルシャの詩人だが、数学、天文学、史学など数々の分野において、一流の業績を残した方だそうで、訳者の言葉を借りれば、ペルシャのレオナルドダビンチと言っても過言ではない、あるいは、江戸時代でいえば平賀源内みたいな存在だという。

ルバイヤートとは四行詩のこと。原本は、実際ペルシャ語で四行で書かれている。ぼくはそれを、駒込の東洋文庫ミュージアムのオープンのときのオリエントホールで観ている。この時の展示はオールスター級のすごいものばかりだったが、その中のひとつに選ばれるほどの貴重本なのだ。

この詩集の中身がすごい。酒飲みなら、うふふと喜びそうな四行詩がいっぱい出てくる。たとえば、これら。
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もうわずわらしい学問はすてよう/白髪の身のなぐさめに酒をのもう/つみ重ねて来た七十の齢の盃を/今この瞬間(とき)でなくいつの日にたのしみ得よう
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墓の中から酒の香が立ちのぼるほど/そして墓場へやって来る酒のみがあっても/その香に酔いしれて倒れるほど/ああそんなにも酒をのみたいもの
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あしたのことは誰にだってわからない/あしたのことを考えるのは憂鬱なだけ/気がたしかならこの一瞬を無駄にするな/二度と帰らぬ命、だがもうのこりは少ない
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魂よ、謎を解くことはお前には出来ない/さかしい知者の立場になることはできない/せめては酒と盃でこの世に楽土をひらこう/あの世ではお前が楽土に行けるとは決まっていない
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ぼくは、これほどまでに酒に溺れてはいないけれど(笑)、今を楽しく生きないで、どうする、という考えには共感。でも、酒以外に面白いものは山のようにあるんじゃ。

これが、白ワイン”ルバイヤート”。ホームページによると、昭和32年 日夏耿之介先生の命名により商標名を「ルバイヤート」とする、とある。 日夏耿之介は詩人で英文学者。号は夏黄眠、黄眠道人、黄眠堂主人など30数種類を数える。広範な学識と多岐にわたる文学活動で「学匠詩人」と称される(ウィキペディアによる)。きっと酒好きでオマル・ハイヤームのような人なのだろう(笑)。



岩波文庫のルバイヤート


原本(東洋文庫ミュージアム)

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