気ままに

大船での気ままな生活日誌

描き継ぐ日本美/円山派の伝統と発展

2012-09-26 11:21:20 | Weblog
東御苑内の三の丸尚蔵館の展覧会は、いつみても面白い。皇室の名宝を無料でというのもうれしい。前回は”珍品ものがたり”だったが、今回は、応挙からはじまり、近代までつづく円山派の絵画の所蔵品展であった。

応挙の作品は後期展示でしかみられないが、まず、応門十哲のひとり、山口素絢(そけん)の”朝顔狗子図”(寛政4年)に、にっこりしてしまう。ころこした子犬の可愛いこと。この犬はどこかでみたなと思いめぐらす。そして、隣りの長沢芦雪の”唐子睡眠図”の子供もかわいい。何か夢でもみているのだろうか、左手をにぎりこぶしにしてねんねしている。

そして、明治に入ると、川端玉章と村瀬玉田が現れてくる。二人の画帖というのがある。全3帖で、68図もある。りっぱな装幀の様子から、ご下命のあったものではないかと推定されている。一枚、一枚、静物画や人物、風景画がていねいに描かれ、完成までに相当な時間と労力がかかったことだろう。玉章の大作”群猿之図”もすばらしい。十数匹のお猿さんが”猿山”で思い思いの姿で。おしなべて円山派の人々は動物をみる眼がやさしい。

大正時代は、山元春挙の、三幅対の”晴天鶴”が晴れやかだ。よくみると、いずれにも鶴が飛翔している。真ん中の、富士山のおだやかなこと、入り日も近づいてきている。そして、最後を飾るのは、竹内栖鳳作、”和暖”。六曲一双の屏風、その右隻が飾られている。大正13年、皇太子(裕仁親王)のご結婚のお祝いに京都府が献上したもの。牡鹿と雌鹿が寄り添い、楽しげに語らっている。白いやわらかな体毛が目にやさしく入ってくる。竹内栖鳳は、円山派の血筋なんだということが、こういう絵をみるとよくわかる。

後期展は、10月20日からとのこと。また、その頃に訪ねよう。

・・・・・
長沢芦雪”唐子睡眠図”


川端玉章・村瀬玉田 ”画帖”


川端玉章 ”群猿之図”


山元春挙 ”晴天鶴”


竹内栖鳳 ”和暖”


・・・・・

東御苑も秋を迎えていた。

ごんずい 又の名をゴン随院長兵衛 お若いのお待ちなせえやし


しらやまぎく 又の名をシラいごんぱち菊 待てとおとどめなさるしは拙者がことでござるかな


うめもどき


ひめこうほね


あさざ


盗人はぎ どど、どこのクニのことでござるかな


まとまなはぎ(笑)


ムスッとすすき(笑)


まとまなすすき


武蔵野の雑木林もいいでござる。

コメント
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