マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

スクラップ&ビルド

2014-12-27 | Weblog
京都御所に面したこの取り壊し中の学校は、
日本で最初の女子高(京一女・明治五年)です。
その後共学となり(現京都府立鴨沂/おおき/高等学校)夜間は今では少ない定時制高校として運営されています。
旧華族の九条家の門や茶室が移築され、
昭和の初期に建てられた図書館などの建物と共に、
ついこの間まで現役で活躍していました。
下の写真の緑が京都御所の森です。中央が図書館、その右に校門が見えます。

階段はゆるやかで浅くて袴で上り下りしやすいようになっていますが
中央がすり減ってまるでスロープのようになっています。
大理石の柱や木の壁、大きな木製のドアが独特の雰囲気を作っていました。
多くの美術品と書籍を所蔵しています。
食堂やトイレなど少しずつ手が加えられてきました。
しかし老朽化ということで反対の声を押し切っての全面改築だそうです。
その経過の詳しい内容は明らかにされていません。
なぜ耐震補強、再生という形で工事ができないのか、
相変わらずのスクラップ&ビルドが繰り返されています。
二度とあのような柱を階段や扉は作ることができないでしょう。
もったいないことです。

この高校の素晴らしい教育方針がスクラップにされないことを願うばかりです。

教育方針

1.自発的・積極的に学習する態度を養い、基礎学力を培い、思考力を養成する。
2.自治活動に進んで参加し、相互の人格を尊重し、正しい方法で討論して、
  その結果に基づき、責任をもって行動する習慣を養う。
3.社会に対する関心を高め、批判的精神を養成する
4.勤労の誇りと喜びをもち、社会的活動に耐えうる体力を増進する。
5.芸術的関心を深め、豊かな情操を養う。
6.人間の尊厳という観点から、基本的人権についての科学的な認識を培う


 (鴨沂高校では1年生のとき沖縄について学び、沖縄へ修学旅行に行きます。
 京都の町なかにある公立高校で父兄の職業も生徒の環境も変化に富んでいます。
 2012年まで制服がありませんでした。生徒の自由、自主性を重んじての伝統でしたが、
 教育委員会の圧力に屈したのか、本当の理由は分かりませんが、残念なことです。)

本館ももうすぐ壊されるのでしょうか?

校門だけ残してモニュメントにでもするのでしょうか?

(土塀とこの校門はまるでお寺のようです。)
コメント (2)
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