マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

『幻のアフリカ納豆を追え!』

2020-11-06 | book
子どもの時から朝はパンなので、
納豆は、たまに夕食時に食べるくらいですが、
その時は美味しいと思うし、何となく体によさそうな感じもしつつ、食べています。
そんなわけで、私は、それほど納豆に思い入れはありませんが、
納豆と聞くと、世界のどこまでも追い求め、食べて、調べ、考える人がいます。



著者は東南アジアの内陸部で納豆に出会ってから、
納豆の謎にとりこになり、納豆の探検にのめり込んで行きます。

この本を手に取ったときは納豆のルーツを探す本かな、と思いましたが、
この本の面白さは、むしろ著者と同行者の納豆を求める旅で出会う、現地の人々との交流、
アフリカや韓国などの、食べ物をめぐって、現在進行形の暮らしのドキュメンタリーとしてとても楽しく読みました。

アフリカに行っても、納豆のある所には大昔から米(ご飯)がある、というのです。
(アフリカにはアジアの米とは別に先史時代から独自に作られ続けている米があるそうです。)
納豆炊き込みご飯には驚きました。

納豆は、ちょうど日本での味噌や醤油などの調味料のように、あるいは、ダシとして使われているところが多いようです。
(大豆のない地域では、様々な木の実を、藁などに棲む納豆菌で発酵させています。)

また、「こんなものは他の場所にはないだろう、この美味しさは分からないだろう、最高に美味しいし、体にいい・・・」と
納豆を食べている地域の多くの人たちが思っているのも面白いことです。
日本にも納豆があるというと、輸入しているのか?と訊かれたりするそうです。
セネガルでは納豆のことをネテトウと呼ぶそうです!

ところで、この本の最後に、著者は、
もしかして日本では、稲作以前(縄文時代)にも納豆があったのではないか、と仮説を立てて実験をしています。
大豆の野生種の、小さくてかたい蔓豆を石うすで砕いて、稲わらではなく、栗やトチやアシなどの葉でくるんで、
納豆を作るのに成功しています。
(納豆になる菌はいろいろなところにいるらしい)
昔、そのままでは食べられない豆を、砕いて、葉で包んで蒸してしばらく置いておいたら、
柔らかくてねばねばした風味のあるものになった・・・
そこでその蔓豆の栽培を始め、蔓豆はやがて大豆になった・・・
と推理しています。



「発酵」が食材の幅を広げ、味覚の世界を深めていったことは間違いありません。
日々の食卓から、味噌、醤油、酢、酒、そしてチーズやパンなどが無くなったらどんなに味気ないか!
発酵は偉大だな。

『 幻のアフリカ納豆を追え!
 そして現れた〈サピエンス納豆〉
 高野秀行 著   2020・8  新潮社

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「ガガイモ?」それとも「イケマ?」

2020-11-04 | 自然
夏に表の井戸があるあたりをつる草が覆って、
小さな白い花が咲き、いい香りを放っていました。
その時、図鑑で調べても名前が分かりませんでしたが、
もう花も終わったので、昨日つる草を熊手でちぎりながらかき集めていたら、



不思議な形の実がぶら下がっていました。
この実の様子から検索できる、と思って調べたら、
「ガガイモ」に似ています。
でも白い花が咲いていたから「ガガイモ」ではなく、「イケマ」かなー?



古事記によれば、ガガイモの実の皮の小舟にのって、一人の神様がやってきたそうです。
その神様は「少名毘古那命・すくなびこなのみこと」
なんと小さな神様でしょう!

イケマについて調べてみると、
アイヌ語で「イ・ケマ=神の足」という意味だそうです。
アイヌの人たちはイケマの根を掘って干し、首からぶら下げて魔除けにしたそうです。
イケマの新芽はとても美味しい?そうですが、
茎や葉を切ると出てくる乳液や、根には毒(薬)があるので要注意!?だそうです。



井戸にもナンテンにもそのあたり一面絡みついているつる草ですが、
ガガイモでもイケマでも、調べてみたら、へぇーということばかり。
これはちょっと大切にしたい、という気になりました。
さらに、旅する蝶、アサギマダラはガガイモの仲間を食草にして、
体の中に毒を蓄えているのだそうです。わーぉ!

すっかり枯れて実がはじけると、中から長い綿毛をつけた種があふれてくるそうです。
楽しみです。

夏に確か、花の写真も撮ったはずと思って探したら、見つかりました。
白い花と思っていましたが・・・拡大してよく見れば、花に毛が・・・僅かに紫色が・・・



このつる草は、「イケマ」ではなく、「ガガイモ!」に決定!たぶん・・・





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蔓を編む

2020-11-02 | 手づくり
切っても切っても、あっちからも、こっちからも、
どんどん伸びるアカメガシワ。
山際からミカンの木の上を覆うように伸びていたアカメガシワを
やっと、ばっさりと切りました。
近くの柿の木の枝も。



何種類かの蔓が巻き付いています。
集めて、籠を作ることにしました。



太いのや細いのがあります。
主にアオツヅラフジのようです、
アケビの蔓のような艶は無いのですが、
弾力があり、丈夫です。



思うような形にはなりませんでしたが、
なんとか花籠らしきものが出来ました。



まだ蔓があるので今度は平たい盛り籠を作ろうと思います。





コメント (2)
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