9月2日 (日)
朝には雨も上がっていたので、観光ボートで島巡りに出かけた。
1時間半で20ユーロ。(約2,000円)
つい数年前には1ユーロが150~160円だったので、
3,000円位だったはずだ。
いろいろ問題はあるが、観光旅行中の「円高」は助かる。
雨は上がったものの、どんよりと雲が垂れ込め、
せっかくの景色も半減だった。
しかし、この地の歴史を知ることが出来ておもしろかった。
このような大きなテーマを語ることは出来ないが、原始部族時代、
スウェーデン統治下時代、そしてロシア統治下時代を経て、
ナチスドイツ軍に巻き込まれ、紆余曲折の後、独立をし、
1952年にオリンピックを開催するに至り、
現在、世界で最も生活水準の高い先進民主主義国、
福祉国家の1つとなったのだとか。
島国の日本と違って地続きのこの辺りでは、
2,000年近い戦いの後に、
ようやく、今の平和が築かれたのだということを、
あらためて感じた。
船の中から見える対岸の景色は美しい。
ヘルシンキ大聖堂が周りの建物を従えて堂々とそびえている。
海岸近くに小さな小屋がたくさん点在しているが、
これはサウナの施設らしい。
温まった身体を海に入って冷やすのが、
ここの人達の大いなる楽しみだと言うが、
身体にとって、これは良いことなのだろうか。
別荘地には豪華なボートも停留していた。
この一角にあの有名な往年のテニスプレーヤー
ビヨン・ボルグの別荘もあったとか・・・・(?)(?)
珍しい船が停泊していたが、これは砕氷船とのこと。
もう少し近くでゆっくり見てみたかった。
港に帰着した我々は、次なる目的地
「ロックチャーチ」に行こうとしたが、
どちら側のトラムに乗ればよいか分らず、停留所で迷っていたら、
ドイツからの観光客が親切に声を掛けてくれ、
反対回りの方が近いに違いないと、教えて下さった。
トラムの停留所に行くと、地元の女性が英語で丁寧に教えて下さって、
3駅先だということが分った。
このトラムは、山手線のようにぐるぐる回っているようだ。
電車一つ乗るのも、言葉が分らないとすごく時間がかかる。
旅の終わりごろ、スイスで聞いた話だが、フィンランドの言葉は、
ヨーロッパの中でもとても難しくて分らないとのことだった。
何とかたどり着いたテンペリアウキオ教会は、
別名ロックチャーチと呼ばれているルーテル派の教会で、
岩の中にすっぽり隠れていた。
ここでも結婚式が行われており、
30分ほど入り口で待たなくてはならなかったが、
現在、ある研究でパリにお住まいの若い日本人御夫婦と
偶然お会いし、立ち話をしている内に、
気付いたらもう開場していた。
休みの日にヨーロッパの観光地を
あちこち回っていらっしゃるそうだ。
岩を自然な形で保とうという主旨のこの教会は、
設計コンペティションによって選ばれた
ティモ&トゥオモ・スオマライネン兄弟の設計案で、
1969年に完成した物。
むき出しの粗い岩肌と、ガラス窓からの柔らかい日差しがマッチして、
今までに見たことのないすばらしい空間で、
音響効果がとても良く、時々小さなコンサートも開かれるそうだ。
教会内に流れていた音楽もとても心地良いものだった。
さて、あちこち歩き回ってお腹も空いてきた。
夫が中華ソバが食べたいと言うので、
駅の近くであちこち探し回って、
ようやく「チャイナ」という店に入った。
現地の人も多かったので、期待に胸を膨らませたが、
夫の取ったワンタンスープは全く味のない物で、
あまりのまずさにびっくり!
3人で一口ずつ味見をして「え~~~~~っ、
ああ、恋焦がれて15分も探し回ったのに・・・・10点、いや3点。」
私の頼んだあんかけ焼ソバは80点、
アジさんのチャーハンは75点、というところか。
もし、どなたかがヘルシンキの中央駅近くで
中華料理が食べたくなっても、
決して「チャイナ」という店のワンタンスープだけは避けるよう、
アドバイスしたい。
夕方になると、すっかり晴れてきた。
アジさんは観光や買物に、私達は「アテネウム」という美術館に入った。
ところが、夫は作品を見に行ったが、
私はあまりの眠さにロビーで座ったまま暴睡。
1時間以上寝ていたに違いない。
戻ってきた夫の話では「いいなと思ったのは数点だった。」
良かった!