『らもトリップ』
監督:三間旭浩,今橋貴,松尾健太,中野裕之
出演:小島藤子,野村周平,宮下ともみ,清水くるみ,神崎れな,松尾貴史,
嶋田久作,永池南津子,忍成修吾,勝村政信 諏訪太朗他
先月24日までシアターセブンにて公開されていました。
最終日は「みんなでトリップ♪」っちゅうことで、アルコール1杯付き。
けれども私はどうせ車だから飲むのはあきらめなあかんし、
同日にDVDもレンタル開始になるしということで、
劇場ではなくDVDにて鑑賞しました。
2004年の夏にラリって階段から転げ落ち、急逝した中島らも。
超有名進学校の灘高から大阪芸大へという異色の経歴の持ち主で、
小説も書けば芝居もするし歌もうたう、ワラかしてくれる凄い人。
著作のなかで私が特に好きだったのは、『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』。
1960年代から1970年代、らもさんの青春時代を綴ったエッセイです。
いつ思い出しても笑ってしまうのは、バンド結成のときのお話。
女にモテるにはバンドに限るということで、同級生らと活動開始。
作曲なんてできる奴がいるはずもなし、だけどただのコピーじゃつまらない。
有名曲を転調して演奏しようと、決めた曲は“オブラディ、オブラダ”。
抱腹絶倒した一文を丸ごと覚えているわけではありませんが、こんな感じでした。
「演奏を始めたメンバーを見て、僕は愕然とした。
なんと彼らは〈悲しそうな顔〉で“オブラディ、オブラダ”を歌い始めたのだ」。
もちろん、長調のままですよ。
学生時代に高槻の友人宅に泊まったとき、
夜中にラジオから聞こえてくるらもさんの静かな声。
「ここ高槻のポンポン山では……」。タイムリーすぎて大笑い。
本作は、そんならもさん原作の小説3編を映画化した作品と、
らもさんと親しかった著名人へのインタビューで構成されています。
『クロウリング・キング・スネイク』は、ヘヴィメタするヘビ女の話。
かなえには最近引きこもり気味の姉のぞみがいる。
心配顔の父親に言われてのぞみの様子を見に行ったところ、
なんとのぞみの全身にうろこが発生中、脱皮までしてスッキリ。
のぞみはエレキギターを弾きたいと言いだし、かなえはギターを買いに。
地肌なのかコスチュームなのかわからん格好でライブ出演。
『微笑と唇のように結ばれて』は、吸血女に献身的な愛を捧げる男の話。
画廊を経営する丸木のもとへ、ある日、若い美女マリカがやってくる。
一夜を過ごした翌朝、まだ夢うつつの丸木の首に噛みつくマリカ。
彼女は血を摂取しなければならない病に冒されているらしい。
丸木はマリカに血を与えつづけようとするが、
マリカは別の血を求めて出て行ってしまう。
彼女の居所を突き止めた丸木は、傷つけるくらいなら殺してくれと懇願する。
『仔羊ドリー』は、自分のクローンをつくった男の話。
売れっ子作家の藤原はあまりの多忙さに嫌気が差し、
自分に代わって仕事をしてくれる奴がいればラッキーと、クローンを注文。
届いたクローンは自分とは似ても似つかないように見えるが、
他人から見ればウリ二つらしく、誰もクローンだとは気づかない。
瞬く間に藤原のことを学習したクローンは、仕事もこなせるようになり、
いつしか勝手に依頼を引き受けて、勝手に小説を書き始める。
こんな3作の前後にインタビューの『らも語り』。
らもさんについて語るのは、らもさんの奥様とお嬢さんのほか、
石田長生、宇梶剛士、大槻ケンヂ、竹中直人、チチ松村、原田伸郎、
古田新太、宮前賢一、山内圭哉の面々です。
映画はどれもいろんな意味で気持ち悪い。(^^;
『仔羊ドリー』は、勝村政信のクローンが諏訪太郎で、その時点で可笑しすぎ。
諏訪太郎に迫られる勝村政信が、「そっちの気はない」と叫びつつも、
「やめて~、気持ちいい~、やめて~、やめないで」って気色ワルっ。
そう、クローンだから、オリジナルのことはいちばんよ~くわかってるんですと。(^o^;
らもさんの数々の逸話は、この人、ほんとに愛されていたんだなぁと思うものばかり。
鼻からラーメンを出して眠りこけていた話とか、やはり凡人ではありません。
他界してから7年以上、今もこんなふうに話してもらえるのは幸せですね。
監督:三間旭浩,今橋貴,松尾健太,中野裕之
出演:小島藤子,野村周平,宮下ともみ,清水くるみ,神崎れな,松尾貴史,
嶋田久作,永池南津子,忍成修吾,勝村政信 諏訪太朗他
先月24日までシアターセブンにて公開されていました。
最終日は「みんなでトリップ♪」っちゅうことで、アルコール1杯付き。
けれども私はどうせ車だから飲むのはあきらめなあかんし、
同日にDVDもレンタル開始になるしということで、
劇場ではなくDVDにて鑑賞しました。
2004年の夏にラリって階段から転げ落ち、急逝した中島らも。
超有名進学校の灘高から大阪芸大へという異色の経歴の持ち主で、
小説も書けば芝居もするし歌もうたう、ワラかしてくれる凄い人。
著作のなかで私が特に好きだったのは、『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』。
1960年代から1970年代、らもさんの青春時代を綴ったエッセイです。
いつ思い出しても笑ってしまうのは、バンド結成のときのお話。
女にモテるにはバンドに限るということで、同級生らと活動開始。
作曲なんてできる奴がいるはずもなし、だけどただのコピーじゃつまらない。
有名曲を転調して演奏しようと、決めた曲は“オブラディ、オブラダ”。
抱腹絶倒した一文を丸ごと覚えているわけではありませんが、こんな感じでした。
「演奏を始めたメンバーを見て、僕は愕然とした。
なんと彼らは〈悲しそうな顔〉で“オブラディ、オブラダ”を歌い始めたのだ」。
もちろん、長調のままですよ。
学生時代に高槻の友人宅に泊まったとき、
夜中にラジオから聞こえてくるらもさんの静かな声。
「ここ高槻のポンポン山では……」。タイムリーすぎて大笑い。
本作は、そんならもさん原作の小説3編を映画化した作品と、
らもさんと親しかった著名人へのインタビューで構成されています。
『クロウリング・キング・スネイク』は、ヘヴィメタするヘビ女の話。
かなえには最近引きこもり気味の姉のぞみがいる。
心配顔の父親に言われてのぞみの様子を見に行ったところ、
なんとのぞみの全身にうろこが発生中、脱皮までしてスッキリ。
のぞみはエレキギターを弾きたいと言いだし、かなえはギターを買いに。
地肌なのかコスチュームなのかわからん格好でライブ出演。
『微笑と唇のように結ばれて』は、吸血女に献身的な愛を捧げる男の話。
画廊を経営する丸木のもとへ、ある日、若い美女マリカがやってくる。
一夜を過ごした翌朝、まだ夢うつつの丸木の首に噛みつくマリカ。
彼女は血を摂取しなければならない病に冒されているらしい。
丸木はマリカに血を与えつづけようとするが、
マリカは別の血を求めて出て行ってしまう。
彼女の居所を突き止めた丸木は、傷つけるくらいなら殺してくれと懇願する。
『仔羊ドリー』は、自分のクローンをつくった男の話。
売れっ子作家の藤原はあまりの多忙さに嫌気が差し、
自分に代わって仕事をしてくれる奴がいればラッキーと、クローンを注文。
届いたクローンは自分とは似ても似つかないように見えるが、
他人から見ればウリ二つらしく、誰もクローンだとは気づかない。
瞬く間に藤原のことを学習したクローンは、仕事もこなせるようになり、
いつしか勝手に依頼を引き受けて、勝手に小説を書き始める。
こんな3作の前後にインタビューの『らも語り』。
らもさんについて語るのは、らもさんの奥様とお嬢さんのほか、
石田長生、宇梶剛士、大槻ケンヂ、竹中直人、チチ松村、原田伸郎、
古田新太、宮前賢一、山内圭哉の面々です。
映画はどれもいろんな意味で気持ち悪い。(^^;
『仔羊ドリー』は、勝村政信のクローンが諏訪太郎で、その時点で可笑しすぎ。
諏訪太郎に迫られる勝村政信が、「そっちの気はない」と叫びつつも、
「やめて~、気持ちいい~、やめて~、やめないで」って気色ワルっ。
そう、クローンだから、オリジナルのことはいちばんよ~くわかってるんですと。(^o^;
らもさんの数々の逸話は、この人、ほんとに愛されていたんだなぁと思うものばかり。
鼻からラーメンを出して眠りこけていた話とか、やはり凡人ではありません。
他界してから7年以上、今もこんなふうに話してもらえるのは幸せですね。