夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ロック・オブ・エイジズ』

2012年09月25日 | 映画(ら行)
『ロック・オブ・エイジズ』(原題:Rock of Ages)
監督:アダム・シャンクマン
出演:ジュリアン・ハフ,ディエゴ・ボネータ,ラッセル・ブランド,ポール・ジアマッティ,
   キャサリン・ゼタ=ジョーンズ,アレック・ボールドウィン,トム・クルーズ他

先週末公開の作品でいちばん楽しみにしていたのはコレ。
TOHOシネマズ西宮にて観ました。

大人気のブロードウェイ・ミュージカルの映画化と言われても、
そのミュージカルを観たことがないし、
たぶんミュージカルのほうが先だったのでしょうけれど、
まるで『バーレスク』(2010)のまんまの出だし。
しかも主演のジュリアン・ハフはその『バーレスク』にも端役で出演しているし、
パクリのようだけどパクリじゃないの?という不信感が。

けれども、そんな不安も束の間。
ちょっとモッチャリした流れの前半は置いといて、終わってみればめちゃ楽し。
『愛と誠』並みにノリまくりました。
あ~、これももう1回観たい~。

1987年のハリウッド・サンセット通り。
歌手になることを夢見てオクラホマ州の田舎町から出てきた女性シェリーは、
バスを降りてすぐにひったくりに遭い、困り果てる。
大切にしていた数々のレコードもすべて盗られて意気消沈。

通りの向かい側からこの様子を目撃したのが青年ドリュー。
彼はライブハウス“バーボン・ルーム”でバーテンダーとして働きながら、
いつか歌手デビューしようと心に誓っていた。

文無しとなったシェリーを雇ってくれるよう、
ドリューはバーボン・ルームのオーナー、デニスに頼み込む。
デニスは良い顔はしなかったが、ちょうど空きが出たばかり。
シェリーは憧れのライブハウスで職を得て大喜び。

さて、近々バーボン・ルームでライブをおこなう予定のバンド“アーセナル”。
ボーカルのステイシー・ジャックスは、シェリーやドリューが敬愛するカリスマ的ロックスター。
ステイシーがソロ活動することになり、これはバンドの解散ライブ。
多くのファンが押し寄せることは必至で、とんでもなく儲かるはず。
このところ、ロックは有害だと言いつのる反対派の動きが活発で、
苦戦を強いられていたデニスは、ようやく税金も払えると安堵するのだが……。

むずかしい話はいっさい無し。
バカみたいだけど、そんなバカを一生懸命にやる俳優陣の素晴らしさ。
トム・クルーズにはもう脱帽です。
50歳になってこんなことをすれば、ちょっと痛々しいのが普通。
けれども、いまだにトップスターでありつづける彼が演じるとイタくない。

LAメタル好きな人ならさらに楽しいでしょうけれど、
1980年代に『ベストヒットUSA』を見ていた人なら誰でも楽しめること請け合い。
笑ってしまったのは、ロック賛成派と反対派による歌のバトル。
前者はスターシップの“We Built This City”、
後者はトゥイステッド・シスターの“We're Not Gonna Take It”。
1980年代半ば、ゴア元副大統領夫人がPMRC(父母音楽情報源センター)なるものを立ち上げて、
ロックは有害であると叫んだとき、
特に糾弾されたのはトゥイステッド・シスターのボーカル、ディー・スナイダーでした。
この曲を本作で市長夫人を演じるキャサリン・ゼタ=ジョーンズ(彼女の壊れっぷりも傑作)に歌わせるなんて、
最高に皮肉が効いているんじゃないでしょか。
大好きなこの曲にテンション上がりまくり。(^o^)

ちなみにこの2曲、同時に歌われます。
学生時代、カラオケでTUBEの“BEACH TIME”をかけて
松田聖子の“青い珊瑚礁”を歌った子がいましたが、それを思い出しましたねぇ。
ちがう曲をこないして歌えるねや!って。

下火になりつつあろうとも生涯懸けてロック、
そんなステイシーとデニスの台詞と表情が切なくて。
あんなロックの時代、もいっぺん来い!

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