夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『灼熱の肌』

2012年09月03日 | 映画(さ行)
『灼熱の肌』(原題:Un Été Brûlant)
監督:フィリップ・ガレル
出演:モニカ・ベルッチ,ルイ・ガレル,モーリス・ガレル,
   セリーヌ・サレット,ジェローム・ロバール他

ハシゴするにはもってこいのナナゲイですが、
『隣る人』『先生を流産させる会』の次の上映は、すでに観た『死刑弁護人』
その次がコレで、時間を潰して待てれば観ようかなと思っていました。
意外と元気が残っていたので、赤瀬川原平の『老人力』を読みながら待つこと2時間。
ず~っとナナゲイのロビーの硬い椅子に座っていました。

フランス/イタリア/スイス作品。
監督はフランスの名匠らしいですが、初めて拝見。

端役しか回ってこない俳優のポールは、
同じく端役ばかりの女優エリザベートと現場で出会い、声をかける。
意気投合してそのまま一緒に暮らすように。

ポールは友人を介して画家のフレデリックと知り合う。
裕福な家庭に生まれたフレデリックは、絵を売らなくてもいいような状況。
知人友人に絵を見せて、気に入ってくれた人には進呈する。
そんな具合でも生活に困らない、羨ましい人生。
しかも妻はイタリア人の美人女優アンジェルだ。

パリからローマへと引っ越したフレデリック夫妻のもとを
ポールとエリザベートは訪ねる。
ほとんど文無しのポールたちを滞在させることをフレデリックは気にも留めず、
部屋も食事も何もかも提供、好きなだけいればいいと言う。

自由気ままなフレデリックに魅了されたかのように、
エリザベートをほったらかして、ポールはフレデリックとばかり過ごす。
一方のアンジェルは、時折フレデリックから悪意ある言葉を投げつけられ、
もうフレデリックとは一緒に暮らせないと感じている。
別れを切り出すとフレデリックは泣き出して……。

フレデリックが車を暴走させるシーンから始まります。
なぜ死に走ったのかは最後まで観ても判然とせず、
情緒不安定な彼がアンジェルに捨てられて自暴自棄になった、
その程度の解釈でいいのかどうか疑問。

監督がとても信仰心に厚いのは見て取ることができます。
神前で添い遂げることを誓ったのに別れたのだから、
キリスト教では禁忌である自殺という罰をフレデリックに受けさせたという見方も。

つまらなくはなかったけれど、一昔前の恋愛ものを観ているようで、
これからも進んで観たいタイプではないなぁといったところ。

それにしてもモニカ・ベルッチは美しい。
冒頭突如として映し出される、全裸で横たわる彼女。
「カモ~ン」とばかりに手招きしてくれますが、
ド迫力のこのハダカは物語の構成上必要とは思われず、完璧なサービスショット。
脱ぎっぷりが良すぎます。(^o^;

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