夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『アウトロー』

2013年02月09日 | 映画(あ行)
『アウトロー』(原題:Jack Reacher)
監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ,ロザムンド・パイク,リチャード・ジェンキンス,
   デヴィッド・オイェロウォ,ロバート・デュヴァル他

「映画の日」に前述の『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』とハシゴ。
貸切状態だったそれに対し、こちらは遅い時間帯だというのに相当な入り。
劇場ロビーも大混雑していて、近くにいた若い女の子ふたりなんて、
「うわぁ、めっちゃ混んでる~。市民全員来てるんちゃう?」と話していました。
そんなこたぁないやろ。(^^;

世の中の背の低い男性たちに希望を与えつづける存在、トム・クルーズ。
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)ほどではありませんが、
本作でも「こんな50歳、アリ?」と思わせる活躍ぶり。
監督は、そのヒネリに度肝を抜かれた『ユージュアル・サスペクツ』(1995)の脚本家で、
面白くないわけがなかろうというところ。
観ようと決めてから私の頭の中はずっと甲斐バンドの『漂流者(アウトロー)』が流れていましたが、
原題は主人公の名前を単刀直入に、“Jack Reacher”です。

ある日、ピッツバーグ近郊の川沿いで、6発の銃声が鳴り響く。
対岸のビルから発砲されたとおぼしき銃弾は、5人の男女に命中。
現場に残された証拠から、元米軍の狙撃兵ジェームズ・バーがあっけなく逮捕される。

ところが、警察の尋問に黙秘を続けるジェームズは、
「ジャック・リーチャーを呼べ」とだけメモ書き。
その後、護送中に車内で暴行を受け、瀕死状態で病院へ運ばれる。

担当刑事のエマーソンとベテラン検事のロディンがジャック・リーチャーについて調べたところ、
元エリート軍人の流れ者で、その存在はまるでゴースト。所在も何もかもわからない。
どうやって呼べばいいんだと困り果てていると、突然ジャック本人が現れる。
どうやらジャックとジェームズは友人関係にあるわけではなく、
ジェームズはジャックならば真相を解明できると考えたらしい。

ロディンの娘で、ジェームズの弁護士を務めることになったヘレンは、
「ジェームズはろくでなし、犯人にまちがいない」と言うジャックに協力を仰ぐのだが……。

イマっぽいアクション映画というよりは、どこか古めかしい匂いがします。
目にも留まらぬ速さの動きが行き交うこともありませんから、
ハラハラドキドキしながらもわりと落ち着いて観ていられます。
ジャックがめちゃくちゃ強くて凄い打撃を受けないところにも安心感。(^o^)

御年82歳のロバート・デュヴァルが、射撃場のオーナーとして登場。
嬉々としてジャックを援護する爺さんを好演しています。
だけどこの人、4度も結婚歴があり、今の奥様は41歳下なんですと。
やるなぁ、爺さん。ずっと元気でいてほしいものです。

ヘレン役のロザムンド・パイクも○。
美人で知的なのに、可愛らしい一面をいつも見せてくれます。
記憶に新しいのは、『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』(2010)で、
オーウェン・ウィルソンに振り回される奥様役でした。
私は笑えなかった『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』(2011)も、
心理学者役だった彼女だけはよかったです。

犯人にも犠牲者にも先入観を持たずに事件を見直せというジャックの言葉に唸りました。
先入観は必ず持ってしまうもの。
それを払拭できれば、ちがう物の見方ができるんだなぁ。

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