『東京家族』
監督:山田洋次
出演:橋爪功,吉行和子,西村雅彦,夏川結衣,中嶋朋子,林家正蔵,
妻夫木聡,蒼井優,小林稔侍,風吹ジュン他
先月の公開前、JCOMでTV試写会があったのですが、抽選に見事はずれ。
画面上でクジを引いて、その場でわかる当選落選結果の素っ気ないこと。
ちょっと笑うぐらいでした。
で、タダで観るのはあきらめて、ワーナー・マイカル・シネマズのレディースデー、月曜日に。
山田洋次監督といえば「寅さん」。
しかし私は『007 スカイフォール』(2012)を観るまでは“007”シリーズ未見ならば、
“男はつらいよ”シリーズも1本も観たことがありません。
“男はつらいよ”は“007”の倍以上の数が撮られているのですよね。
これだけは観ておけというものがあればぜひ教えてください。
小津安二郎監督の『東京物語』(1953)のリメイクとのことですが、
主人公夫婦が暮らす町は、広島の尾道から芸予諸島の大崎上島町へと移されています。
時ももちろん20世紀半ばから現代へ。
2012年5月、大崎上島町に住む平山周吉と妻のとみこは、
子どもたちに会うために東京へとやって来る。
郊外で開業医を営む長男の幸一の家では、嫁の文子がもてなしの準備に追われる。
その息子たちで、孫に当たる実と勇は文子の気も知らずに好き勝手。
そこへ顔を出したのは幸一の妹で周吉夫婦の長女、滋子。
品川駅へ着くはずの両親の迎えを弟で次男の昌次にまかせたが、
いつもボケボケの昌次は、誤って東京駅に迎えに行ったらしい。
いらちの周吉は昌次が来るのを待っていられないと、タクシーで幸一宅へ。
初めて見るカーナビに目を丸くするとみこ。
ようやく到着した昌次をまじえて、久々に家族全員が揃って団欒。
和やかなひとときが流れるが、翌日からが大変。
東京見物に両親を連れて行こうとするが、幸一には急患の連絡が入る。
美容院を経営する滋子とその夫の庫造は、商店会などの催し物への参加もあって多忙。
頼みの綱は昌次だが、フリーターの彼に周吉の目は冷たく、ろくに話そうともしない。
庫造にしても、義母のとみこだけならいいが、義父の周吉は苦手だと言う。
いつ帰るとも知れない両親の相手に手を焼いた子どもたちは、
高級ホテルに連泊させようと目論むが上手く行かず。
どうしても相手できないと言われた日、周吉ととみこは別行動を取り、
周吉は旧友のもとへ、とみこは昌次のアパートを訪れることに。
とみこはそこで思いがけず昌次から恋人の紀子を紹介されて喜ぶのだが……。
今が舞台にもかかわらず、家のつくりも景色も何もかもが懐かしい。
何よりも役者たちの話す日本語がとても綺麗で、はっきり聞こえます。
映画であってもモソモソ話すことが多いため、
何年か前から邦画も字幕付きで観るのがマイブームでしたが、
これはそんなものはまったく不要。もちろん「ら抜き」も出てきません。
そういう意味では時代に合わない不自然な作品なのかもしれませんが、
なんでしょう、この優しく落ち着ける雰囲気。
震災の影響で公開が延期になった作品といえば『のぼうの城』(2011)がありましたが、
本作も同じく1年以上公開が延期になった作品です。
それゆえ配役にも変更が生じ、菅原文太と市原悦子から、橋爪功と吉行和子になったそうな。
この吉行和子演じるとみこ、「母さん」が愛らしくてたまらない。
とみこの死後にやっと昌次のいいところに気づく周吉が、
それでも本人には面と向かって伝えられず、紀子に話すところは涙腺ぼろぼろ。
10本観たら7本は泣いている私なのですけれど。(^^;
日本語っていいな~とあらためて思わせてくれた作品でした。
ただ、予告編にも組み込まれていたシーンで、
周吉が「母さん、死んだぞ」と昌次にあらためて言う箇所について、
昌次がウッと泣くまでの時間があと数秒長いほうがよかったなぁと思うのは私だけ?
監督:山田洋次
出演:橋爪功,吉行和子,西村雅彦,夏川結衣,中嶋朋子,林家正蔵,
妻夫木聡,蒼井優,小林稔侍,風吹ジュン他
先月の公開前、JCOMでTV試写会があったのですが、抽選に見事はずれ。
画面上でクジを引いて、その場でわかる当選落選結果の素っ気ないこと。
ちょっと笑うぐらいでした。
で、タダで観るのはあきらめて、ワーナー・マイカル・シネマズのレディースデー、月曜日に。
山田洋次監督といえば「寅さん」。
しかし私は『007 スカイフォール』(2012)を観るまでは“007”シリーズ未見ならば、
“男はつらいよ”シリーズも1本も観たことがありません。
“男はつらいよ”は“007”の倍以上の数が撮られているのですよね。
これだけは観ておけというものがあればぜひ教えてください。
小津安二郎監督の『東京物語』(1953)のリメイクとのことですが、
主人公夫婦が暮らす町は、広島の尾道から芸予諸島の大崎上島町へと移されています。
時ももちろん20世紀半ばから現代へ。
2012年5月、大崎上島町に住む平山周吉と妻のとみこは、
子どもたちに会うために東京へとやって来る。
郊外で開業医を営む長男の幸一の家では、嫁の文子がもてなしの準備に追われる。
その息子たちで、孫に当たる実と勇は文子の気も知らずに好き勝手。
そこへ顔を出したのは幸一の妹で周吉夫婦の長女、滋子。
品川駅へ着くはずの両親の迎えを弟で次男の昌次にまかせたが、
いつもボケボケの昌次は、誤って東京駅に迎えに行ったらしい。
いらちの周吉は昌次が来るのを待っていられないと、タクシーで幸一宅へ。
初めて見るカーナビに目を丸くするとみこ。
ようやく到着した昌次をまじえて、久々に家族全員が揃って団欒。
和やかなひとときが流れるが、翌日からが大変。
東京見物に両親を連れて行こうとするが、幸一には急患の連絡が入る。
美容院を経営する滋子とその夫の庫造は、商店会などの催し物への参加もあって多忙。
頼みの綱は昌次だが、フリーターの彼に周吉の目は冷たく、ろくに話そうともしない。
庫造にしても、義母のとみこだけならいいが、義父の周吉は苦手だと言う。
いつ帰るとも知れない両親の相手に手を焼いた子どもたちは、
高級ホテルに連泊させようと目論むが上手く行かず。
どうしても相手できないと言われた日、周吉ととみこは別行動を取り、
周吉は旧友のもとへ、とみこは昌次のアパートを訪れることに。
とみこはそこで思いがけず昌次から恋人の紀子を紹介されて喜ぶのだが……。
今が舞台にもかかわらず、家のつくりも景色も何もかもが懐かしい。
何よりも役者たちの話す日本語がとても綺麗で、はっきり聞こえます。
映画であってもモソモソ話すことが多いため、
何年か前から邦画も字幕付きで観るのがマイブームでしたが、
これはそんなものはまったく不要。もちろん「ら抜き」も出てきません。
そういう意味では時代に合わない不自然な作品なのかもしれませんが、
なんでしょう、この優しく落ち着ける雰囲気。
震災の影響で公開が延期になった作品といえば『のぼうの城』(2011)がありましたが、
本作も同じく1年以上公開が延期になった作品です。
それゆえ配役にも変更が生じ、菅原文太と市原悦子から、橋爪功と吉行和子になったそうな。
この吉行和子演じるとみこ、「母さん」が愛らしくてたまらない。
とみこの死後にやっと昌次のいいところに気づく周吉が、
それでも本人には面と向かって伝えられず、紀子に話すところは涙腺ぼろぼろ。
10本観たら7本は泣いている私なのですけれど。(^^;
日本語っていいな~とあらためて思わせてくれた作品でした。
ただ、予告編にも組み込まれていたシーンで、
周吉が「母さん、死んだぞ」と昌次にあらためて言う箇所について、
昌次がウッと泣くまでの時間があと数秒長いほうがよかったなぁと思うのは私だけ?