夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『さよならドビュッシー』

2013年02月14日 | 映画(さ行)
『さよならドビュッシー』
監督:利重剛
出演:橋本愛,清塚信也,ミッキー・カーチス,柳憂怜,相築あきこ,山本剛史,
   熊谷真実,サエキけんぞう,相楽樹,戸田恵子,三ツ矢雄二,吉沢悠他

前述の『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』とハシゴ。
こちらも女性客でいっぱいです。

第8回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作である原作は未読。
某映画レビューサイトの評価が非常に高く、
原作も映画もきっとおもしろいにちがいないとものすごく期待していたのですが、
う~ん、今年のワーストになりそうな感じ。まだ2月だというのに。(^^;

遥はピアニストになることを夢見る少女。
祖父の香月玄太郎はワインの輸入会社を経営し、潤沢すぎる利益を上げている。
そのおかげで遥一家も玄太郎と同じ敷地の豪邸住まい。

遙には姉妹同様に育ったいとこ、ルシアがいる。
治安の悪い国へ仕事で出向いたルシアの両親は、
ルシアを玄太郎らに預けたまま消息を絶つ。
悲しみに暮れるルシアを遙は生涯守ると誓い、
遙の両親もふたりを分け隔てることなく育てる。

遙とルシアは同じ音楽学校へ通うようになったある夜、離れが火事に。
そこにいたのは遙とルシア、そして玄太郎。
遙だけが奇跡的に一命を取り留めるが、全身に火傷を負って大手術。
一流の形成外科医により、皮膚を繋ぎ合わせて見事もとどおりの容姿に。

地獄のようなリハビリ後、やはりピアニストになりたいと考える遙。
しかし、どこもかしこも思うようには動かないのに、
ピアノを再び弾くことなど永遠に無理なのではないか。

かつてのピアノ教師にレッスンを頼もうと訪問するが、すげない態度。
ところがちょうどそのとき調律に来ていたのが若手ピアニストの岬洋介。
洋介は自分でよければ力になると申し出て……。

おもしろくないことはありませんでした。
けれども、冒頭で「まさかこういうオチとちゃうやろな」と思ったとおりに。
台詞も陳腐で、終盤の「先生にひとつだけお願いがあるの」の次の台詞はなんぞや、
もしやこう言うのではと思ったらそのとおりに。
種明かしのあとは興醒めしてしまって観ていられないほどでした。
観賞後に原作のレビューをあれこれ眺めてみたら、
トリックに期待したらあかん作品だったのですねぇ。ガクッ。

ただ、洋介を演じる本物の人気ピアニスト、清塚信也の演奏は素晴らしい。
それと、学校から全国コンクールに出場させられそうになり、
「見世物になんかなりたくない」と泣く遙に対する洋介の台詞はイイ。
「ピアニストってそもそも見世物なんじゃないのかな。
 人を感動させられるなら、見世物だっていいと思うな」。

特に“熊蜂の飛行”のアレンジは優れもの。
これだけでも聴く価値ありかと。

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