『王になった男』(英題:Masquerade)
監督:チュ・チャンミン
出演:イ・ビョンホン,リュ・スンリョン,ハン・ヒョジュ,キム・イングォン,
シム・ウンギョン,チャン・グァン,キム・ミョンゴン他
はやりものからは目を遠ざけたくなるアマノジャク的性格のため、
韓流ドラマは一度も見たことがありません。
確かに韓流スターはカッコよくて、タイプだなぁと思う役者もいるけれど、
韓国映画を観るときは、イケメンからはほど遠くて(失礼)男くさい、
ソン・ガンホなどの出演作を選ぶことのほうが多いです。
けれども『悪魔を見た』(2010)でイ・ビョンホンに目が釘付け、
本作も彼を見るためにムビチケを買い、近所のシネコンにて。
17世紀初頭の李氏朝鮮の15代王、光海君。
かつては民のことを何よりも大切にする聖君と崇められていたが、
政敵による暗殺の危険につきまとわれた結果、
ごく一部の忠臣を除いては誰も信用できなくなってしまう。
食事はすべて毒味をさせてから。少しでも異変を感じれば怒鳴る。
それにしたがって政治も理想からはどんどん離れてゆき、
暴君と化した光海君のふるまいに、仕える者は怯える日々。
あまりの疑念におちおち眠っていることもできなくなった光海君は、
側近のホ・ギュンに影武者を用意するようにと命ずる。
光海君に瓜二つの人物など簡単に見つかるはずもなく、
途方に暮れるホ・ギュンの目に留まったのは、
遊郭で光海君のものまねをして酒席を沸かせていた男、ハソン。
引っ立てられたハソンは、王を茶化したことで罰せられるのかとヒヤヒヤ。
そんなハソンにホ・ギュンは影武者として雇うと言い渡す。
当面は週に数日、お呼びがかかったときにとのことだったが、
やがて何者かに毒を盛られた光海君が意識不明となったため、
病状が快復するまでは王のふりをして宮廷に留まるはめに。
この事実を知っているのはホ・ギュンとハソンの世話係を務めるチョ内官のみ。
最初はホ・ギュンに言われるままに政務をこなしていたハソンだったが……。
1608年から1623年まで君臨した実在の王、光海君。
史実とフィクションを織り交ぜた作品は、
『もうひとりのシェイクスピア』といい、その着想が痛快。
予告編からシリアスな内容を想像していたら、意外にも笑えるシーン多数。
影武者の話といえば『デビルズ・ダブル ある影武者の物語』(2011)ですが、
人間的に非常によくできたウダイ・フセインの影武者と比べると、
本作の光海君の影武者はお調子者で天然ボケ、それがめちゃめちゃお茶目。
おいしい食事や夜食に大喜び、トイレといえばお尻まで拭いてくれる扱いにビビり、
王妃には一目惚れ、悲しい話を聞けば小さな子どものように手で涙をぬぐいます。
王と影武者、一人二役を演じるイ・ビョンホンに惚れ直しました。
ホ・ギュンとチョ内官、このどちらかが腹黒い奴だったら嫌だなぁと思っていました。
なにしろホ・ギュン役は『カエル少年失踪殺人事件』(2011)のファン教授、
チョ内官役は『トガニ 幼き瞳の告発』(2011)の双子のエロ校長/行政室長ですからね。
だけど、そんな心配はどこへやら、最後まで安心してどうぞ。
特にハソンとチョ内官とのやりとりはかなり可笑しくて和みます。
ついでに、王妃役は『ただ君だけ』(2011)の目の不自由なヒロイン、ジョンファ、
毒味係の愛らしいサウォルは、『サニー 永遠の仲間たち』(2011)の高校生時代のナミでした。
予想外に笑って泣いて。
韓流なんて観るのはおばちゃんばっかりやろ~という食わず嫌いの人にもお薦めします。
「そなたには偽物でも、我にとっては本物の王」。
監督:チュ・チャンミン
出演:イ・ビョンホン,リュ・スンリョン,ハン・ヒョジュ,キム・イングォン,
シム・ウンギョン,チャン・グァン,キム・ミョンゴン他
はやりものからは目を遠ざけたくなるアマノジャク的性格のため、
韓流ドラマは一度も見たことがありません。
確かに韓流スターはカッコよくて、タイプだなぁと思う役者もいるけれど、
韓国映画を観るときは、イケメンからはほど遠くて(失礼)男くさい、
ソン・ガンホなどの出演作を選ぶことのほうが多いです。
けれども『悪魔を見た』(2010)でイ・ビョンホンに目が釘付け、
本作も彼を見るためにムビチケを買い、近所のシネコンにて。
17世紀初頭の李氏朝鮮の15代王、光海君。
かつては民のことを何よりも大切にする聖君と崇められていたが、
政敵による暗殺の危険につきまとわれた結果、
ごく一部の忠臣を除いては誰も信用できなくなってしまう。
食事はすべて毒味をさせてから。少しでも異変を感じれば怒鳴る。
それにしたがって政治も理想からはどんどん離れてゆき、
暴君と化した光海君のふるまいに、仕える者は怯える日々。
あまりの疑念におちおち眠っていることもできなくなった光海君は、
側近のホ・ギュンに影武者を用意するようにと命ずる。
光海君に瓜二つの人物など簡単に見つかるはずもなく、
途方に暮れるホ・ギュンの目に留まったのは、
遊郭で光海君のものまねをして酒席を沸かせていた男、ハソン。
引っ立てられたハソンは、王を茶化したことで罰せられるのかとヒヤヒヤ。
そんなハソンにホ・ギュンは影武者として雇うと言い渡す。
当面は週に数日、お呼びがかかったときにとのことだったが、
やがて何者かに毒を盛られた光海君が意識不明となったため、
病状が快復するまでは王のふりをして宮廷に留まるはめに。
この事実を知っているのはホ・ギュンとハソンの世話係を務めるチョ内官のみ。
最初はホ・ギュンに言われるままに政務をこなしていたハソンだったが……。
1608年から1623年まで君臨した実在の王、光海君。
史実とフィクションを織り交ぜた作品は、
『もうひとりのシェイクスピア』といい、その着想が痛快。
予告編からシリアスな内容を想像していたら、意外にも笑えるシーン多数。
影武者の話といえば『デビルズ・ダブル ある影武者の物語』(2011)ですが、
人間的に非常によくできたウダイ・フセインの影武者と比べると、
本作の光海君の影武者はお調子者で天然ボケ、それがめちゃめちゃお茶目。
おいしい食事や夜食に大喜び、トイレといえばお尻まで拭いてくれる扱いにビビり、
王妃には一目惚れ、悲しい話を聞けば小さな子どものように手で涙をぬぐいます。
王と影武者、一人二役を演じるイ・ビョンホンに惚れ直しました。
ホ・ギュンとチョ内官、このどちらかが腹黒い奴だったら嫌だなぁと思っていました。
なにしろホ・ギュン役は『カエル少年失踪殺人事件』(2011)のファン教授、
チョ内官役は『トガニ 幼き瞳の告発』(2011)の双子のエロ校長/行政室長ですからね。
だけど、そんな心配はどこへやら、最後まで安心してどうぞ。
特にハソンとチョ内官とのやりとりはかなり可笑しくて和みます。
ついでに、王妃役は『ただ君だけ』(2011)の目の不自由なヒロイン、ジョンファ、
毒味係の愛らしいサウォルは、『サニー 永遠の仲間たち』(2011)の高校生時代のナミでした。
予想外に笑って泣いて。
韓流なんて観るのはおばちゃんばっかりやろ~という食わず嫌いの人にもお薦めします。
「そなたには偽物でも、我にとっては本物の王」。