『世界にひとつのプレイブック』(原題:Silver Linings Playbook)
監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:ブラッドリー・クーパー,ジェニファー・ローレンス,ロバート・デ・ニーロ,
ジャッキー・ウィーヴァー,クリス・タッカー,アヌパム・カー他
TOHOシネマズ西宮にて、3本ハシゴの1本目、封切りの日に。
原題は“Silver Linings Playbook”で、
英語のことわざ、“Every cloud has a silver lining.”が基なのだそうな。
これは直訳すると、「どの雲にも銀の裏地が付いている」。
「どんな暗雲もその反対側は太陽が照り、銀色に輝いているものだ」、
つまりは、「どんなに困難な状況であろうと明るい面もあるさ」。
日本語のことわざでは「苦あれば楽あり、楽あれば苦あり」といったところ。
“Playbook”は本作の重要なスポーツ、アメフトの作戦ノートのことらしく。
銀の裏地が付いたノート、どんなに辛くても必ず希望の光はある。
ある日、高校教師のパットが帰宅すると、
同じく教師を務める妻のニッキーが、ハゲちゃびんの歴史教師と浮気の真っ最中。
しかもBGMにはパットとニッキーの結婚式で使用した曲、
スティーヴィー・ワンダーの“My Cherie Amour”を流しながら。
半狂乱のパットは歴史教師を激しく殴打。
怒りをコントロールできない疾患と診断され、精神病院へと送り込まれる。
教師の職はもちろん解雇され、ニッキーへの接近禁止令も受けている。
そんなパットを母親のドロレスは8カ月ぶりに退院させて実家へと連れ戻す。
父親のパット・シニアはチーズステーキ店を開業するべく、
その資金稼ぎにアメフトのノミ屋をはじめたばかり。
熱狂的なフィラデルフィア・イーグルスのファンで、
試合開催日には昔からの験(げん)担ぎに息子のパットと観戦したがる。
アメフトよりも、どうやってニッキーとよりを戻すかが気になるパットは、
頭と体を鍛えればニッキーが考え直してくれるにちがいないと、本を読んでは連日走る。
疲れて眠ろうにもなかなか寝つけず、夜中に両親を起こしては愚痴ったり暴れたり。
ランニング中に久々に会ったのが友人のダニー。
妻のヴェロニカが食事をふるまってくれることになり、
後日訪問すると、ヴェロニカの妹ティファニーの姿も。
ティファニーは交通事故で夫を亡くしたショックから心のバランスを崩している。
職場での言動が問題になり、パット同様、解雇されたらしい。
ティファニーがニッキーともたまに会う間柄であると知り、
パットはニッキーに手紙を渡してくれないかと頼む。
ティファニーはその交換条件としてダンスコンテストへの参加を提示するのだが……。
精神疾患と診断されるのはパットとティファニーだけなわけですが、
他人から見れば少しずつおかしな面をみんなが持っています。私たちも含めて。
ロバート・デ・ニーロ演じるパット・シニアの験担ぎは相当なもので、
ハンカチを握りしめ、リモコンをいくつも持ち、息子を必ず同席させようとします。
『アニマル・キングダム』(2010)で異常な祖母を演じたジャッキー・ウィーヴァーは、
夫や息子を大きな愛情で包みますが、特徴ある声のせいもあり、ちょっとズレたおかしさ。
けれども、人間って誰しもこういうところがあると思えて、愛おしい。
一見平穏そうな人物も、膨大なストレスを抱えてメタリカやメガデスで発散なんて台詞にもクスッ。
どちらかといえばイモ姉ちゃんの雰囲気のジェニファー・ローレンスは、
現在引く手あまただけあってめちゃくちゃイイ。
どんな役でも知性を感じさせ、本作でも賢い一面を見せるシーンは舌を巻く演技。
色男ブラッドリー・クーパーの上半身すら脱ぐこと無しもまた○。
かつては主演を張りまくっていたジュリア・スタイルズは、脇役のヴェロニカに回って笑わせてくれます。
「少しイカれたきみが、なぜか希望の光」。
このキャッチコピーもいいでしょ。
監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:ブラッドリー・クーパー,ジェニファー・ローレンス,ロバート・デ・ニーロ,
ジャッキー・ウィーヴァー,クリス・タッカー,アヌパム・カー他
TOHOシネマズ西宮にて、3本ハシゴの1本目、封切りの日に。
原題は“Silver Linings Playbook”で、
英語のことわざ、“Every cloud has a silver lining.”が基なのだそうな。
これは直訳すると、「どの雲にも銀の裏地が付いている」。
「どんな暗雲もその反対側は太陽が照り、銀色に輝いているものだ」、
つまりは、「どんなに困難な状況であろうと明るい面もあるさ」。
日本語のことわざでは「苦あれば楽あり、楽あれば苦あり」といったところ。
“Playbook”は本作の重要なスポーツ、アメフトの作戦ノートのことらしく。
銀の裏地が付いたノート、どんなに辛くても必ず希望の光はある。
ある日、高校教師のパットが帰宅すると、
同じく教師を務める妻のニッキーが、ハゲちゃびんの歴史教師と浮気の真っ最中。
しかもBGMにはパットとニッキーの結婚式で使用した曲、
スティーヴィー・ワンダーの“My Cherie Amour”を流しながら。
半狂乱のパットは歴史教師を激しく殴打。
怒りをコントロールできない疾患と診断され、精神病院へと送り込まれる。
教師の職はもちろん解雇され、ニッキーへの接近禁止令も受けている。
そんなパットを母親のドロレスは8カ月ぶりに退院させて実家へと連れ戻す。
父親のパット・シニアはチーズステーキ店を開業するべく、
その資金稼ぎにアメフトのノミ屋をはじめたばかり。
熱狂的なフィラデルフィア・イーグルスのファンで、
試合開催日には昔からの験(げん)担ぎに息子のパットと観戦したがる。
アメフトよりも、どうやってニッキーとよりを戻すかが気になるパットは、
頭と体を鍛えればニッキーが考え直してくれるにちがいないと、本を読んでは連日走る。
疲れて眠ろうにもなかなか寝つけず、夜中に両親を起こしては愚痴ったり暴れたり。
ランニング中に久々に会ったのが友人のダニー。
妻のヴェロニカが食事をふるまってくれることになり、
後日訪問すると、ヴェロニカの妹ティファニーの姿も。
ティファニーは交通事故で夫を亡くしたショックから心のバランスを崩している。
職場での言動が問題になり、パット同様、解雇されたらしい。
ティファニーがニッキーともたまに会う間柄であると知り、
パットはニッキーに手紙を渡してくれないかと頼む。
ティファニーはその交換条件としてダンスコンテストへの参加を提示するのだが……。
精神疾患と診断されるのはパットとティファニーだけなわけですが、
他人から見れば少しずつおかしな面をみんなが持っています。私たちも含めて。
ロバート・デ・ニーロ演じるパット・シニアの験担ぎは相当なもので、
ハンカチを握りしめ、リモコンをいくつも持ち、息子を必ず同席させようとします。
『アニマル・キングダム』(2010)で異常な祖母を演じたジャッキー・ウィーヴァーは、
夫や息子を大きな愛情で包みますが、特徴ある声のせいもあり、ちょっとズレたおかしさ。
けれども、人間って誰しもこういうところがあると思えて、愛おしい。
一見平穏そうな人物も、膨大なストレスを抱えてメタリカやメガデスで発散なんて台詞にもクスッ。
どちらかといえばイモ姉ちゃんの雰囲気のジェニファー・ローレンスは、
現在引く手あまただけあってめちゃくちゃイイ。
どんな役でも知性を感じさせ、本作でも賢い一面を見せるシーンは舌を巻く演技。
色男ブラッドリー・クーパーの上半身すら脱ぐこと無しもまた○。
かつては主演を張りまくっていたジュリア・スタイルズは、脇役のヴェロニカに回って笑わせてくれます。
「少しイカれたきみが、なぜか希望の光」。
このキャッチコピーもいいでしょ。