夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』

2017年11月16日 | 映画(ら行)
『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』
監督:滝田洋二郎
出演:二宮和也,西島秀俊,宮崎あおい,綾野剛,西畑大吾,
   兼松若人,竹嶋康成,大地康雄,竹野内豊,笈田ヨシ他

『MASTER マスター』『マイティ・ソー バトルロイヤル』→これ。
同じくTOHOシネマズ二条にて。

実は前日にオンライン予約したさい、土曜日と日曜日をまちがえました。
予約完了してからそのことに気づき、ガクッ。
数年前ならキャンセルはできないとあきらめていたところですが、
フリーパス期間内にこんなことがあったので、
気を取り直して土曜日の席を確保し、日曜日の予約完了メールを携えて劇場へ。
劇場スタッフにその旨を伝えたら、すぐにキャンセル手続きをしてくれました。
日をまちがってオンライン予約しちゃったという私みたいな人、
世の中にそんなにおらんとは思いますが、発券前ならキャンセルできますからね。
ガックリせずに劇場スタッフへご相談くださいませ。何の宣伝やねん(笑)。

嵐の二宮くん主演の話題作。
原作は、『料理の鉄人』や『とんねるずのハンマープライス』等、
人気TV番組の演出家・田中経一の小説家デビュー作。
単行本出版時は『麒麟の舌の記憶』だったところ、
文庫化のさいにそれを副題に回し、『ラストレシピ』としたようです。
『おくりびと』(2008)の滝田洋二郎監督となれば、ものすごい鳴り物入り。
胡散臭さも感じながら観はじめましたけれども、きっちり泣かされました。

一度食べた味は決して忘れない、「麒麟の舌」(=絶対味覚)を持つ佐々木充(二宮和也)。
天才的な料理人として食通を唸らせる自分の店を持っていたが、
決して妥協を許さず、人を信じない性格がわざわいして経営が立ちゆかなくなる。
店を畳んだあとは、「最期の料理人」として高額の報酬を得ている。
余命わずかな金持ちの依頼で、その人が人生最後に食べたい料理を再現する仕事。

ある日、充が育った児童養護施設の施設長(大地康雄)が亡くなる。
同じ施設で育った柳沢健(綾野剛)から再三の連絡があったにもかかわらず、
充は仕事中だと言って葬儀に姿を見せなかった。
健もかつては充の店で働いていた身で、閉店後は大衆中華料理屋の雇われ店長。
充の数少ない友人だが、意固地な充のことがもどかしくて仕方ない。

健のそんな気持ちを考えもしない充は、仕事の依頼で北京へと飛ぶ。
手付け金300万円、成功報酬5000万円だという仕事の依頼主は、
中国料理界の重鎮・楊晴明(笈田ヨシ)。
楊が再現を望むのは、天皇の料理番だった天才料理人・山形直太朗(西島秀俊)のレシピ。

1930年代、妻・千鶴(宮崎あおい)とともに満州国入りした直太朗は、
現地に赴任中の陸軍大佐・三宅太蔵(竹野内豊)の命令を受け、
100品以上にも及ぶフルコース「大日本帝国食菜全席」のレシピを考案。
かつて直太朗の助手として働いたという楊も、当時メニューの考案に協力したが、
諸般の事情からレシピが日の目を見ることはなく、
太平洋戦争の開戦直前、レシピとともに直太朗は消息を絶ったとのこと。

高額すぎる報酬からして何もかもが怪しい。
そう思いつつもレシピを探しはじめた充は、直太朗の足跡を追うのだが……。

あまりミステリーとしての認識を持たずに観はじめたせいか、
オチにはまったく思いが至らず、見事に騙されました。
アイドル出演の映画だと思ってナメてかかっていたところもあります。すみません。
ま、私はやっぱり、二宮くんよりも綾野剛のほうが好きですけれども(笑)。

それにしてもこのところの竹野内豊、あまりにゲスな男役が多すぎる。
先日の『彼女が名を知らない鳥たち』に引き続き、ほんと死んでくださいと言いたくなるほど。(^^;
『どんずまり便器』(2012)を観たときは、この子どうなるんだろうと思った菜葉菜
同じ児童養護施設で育った女性を演じていて、着実に脇役を得ている様子が嬉しい。

愛情で料理が旨くなることはないとしても、
料理で人を笑顔にしたい、幸せにしたいという想いが皆無なら、
味はやっぱり変わってしまうのかもしれません。

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