夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『娼年』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の5本目@なんば)

2018年06月02日 | 映画(さ行)
『娼年』
監督:三浦大輔
出演:松坂桃李,真飛聖,冨手麻妙,猪塚健太,桜井ユキ,小柳友,馬渕英里何,
   荻野友里,佐々木心音,大谷麻衣,階戸瑠李,西岡徳馬,江波杏子他

TOHOシネマズなんばで2本なんばパークスシネマで1本観てから、
今度はTOHOシネマズなんば別館へ。
ほかの劇場ではとっくに上映が終了している本作をなんばはまだ上映していました。
でなければこの日はもっと近くのTOHOシネマズへ行っていたはずだから、
本作のためになんばまで行ったようなものです。
西宮なんて早々に打ち切られていたのに、なんばではこんなに長くかかっているなんて。
結構客が入っていました。これだけ客が入るなら終われないわと納得。

三浦大輔監督も好きな監督のうちのひとりです。
劇団「ポツドール」の主宰者でそちらが主。映画のほうはそのかたわらという感じ。
本作ももともとは舞台劇、同じく松坂桃李主演でした。こりゃ舞台も観たくなる。

名門大学にかよう森中領(りょう)(松坂桃李)。
女はいくらでも寄ってくるが、恋愛にまったく興味は持てない。
バーテンダーとして勤めるアルバイト先には
同級生の白崎恵(桜井ユキ)が授業のノートを持ってやってくる。
あきらかに領に恋している恵に、気づいている素振りを見せたりはしない。

ある日、ホストクラブでバイトをしている友人・田島進也(小柳友)が、
御堂静香(真飛聖)という女性をバーに連れてくる。
いい金づるを見つけたと領に自慢げにささやく進也。
ところがその日の仕事を終えて帰ろうとすると、
進也といるはずの静香が領のことを待っていた。

静香は会員制ボーイズクラブ“Le Club Passion”のオーナーで、
進也は静香のお眼鏡に適わなかったらしい。
領のことを見込みがありそうだと静香は言うが、
そんなつもりのない領は、「女なんてつまらない」と言い切る。
ならばあなたのセックスがどの程度かテストさせてみてと言われ、領は応じる。

テストの相手は静香ではなく、彼女の娘・咲良(冨手麻妙)。
静香からは及第点をもらえなかったが、
咲良は領のことを気に入ったらしく、かろうじて合格を言い渡される。
こうして領は娼夫として働きはじめるのだが……。

期せずしてこの日観た4作品のうち、娼夫の話が2本。
『のみとり侍』はR15+でしたが、こちらは堂々のR18。
そりゃもう、じゅうぶんアダルト作品です。

しかし、いろんな人がいるものです。
ひとくちに娼夫を呼ぶといっても、してほしいことは人それぞれ。
女なんて皆いっしょ、セックスなんて簡単、
そう思っていた領が、相手の気持ちになって臨みはじめる。

桃李くんは別にタイプというわけでもなく、かといって嫌いでもなく、
どっちでもいい人として見てきました。
だけどこれは良かった。お肌ツルツルとかじゃないところも普通っぽくていい(笑)。
ネタバレになりますが、客として領を呼んだ恵との会話シーンで涙。
すっごく切なかったです。

ラブホの部屋のドアの内と外、
廊下では従業員が「自転車操業だよぉ」なんて言ってるのは可笑しかった。
三浦監督のエロとユーモアと真面目さと切なさのバランス、好きだなぁ。

ところで、この松坂桃李もよかったけれど、
男性の「イク」ときの表情の演技でこれ以上のものが見たことがないと思うのは
『ラスト、コーション』(2007)のトニー・レオンです。

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