夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』

2019年10月09日 | 映画(は行)
『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』(原題:The Hummingbird Project)
監督:キム・グエン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ,アレキサンダー・スカルスガルド,サルマ・ハエック,
   マイケル・マンド,サラ・ゴールドバーグ,アンナ・マグワイア,フランク・スコーピオン他
 
飲み会の日がたまたまファーストデーと重なったので、
ついでに有休を取って映画を観てから飲みに行くことにしました。
こういう機会があると、ついつい仕事に行くときより早く家を出てハシゴする計画を立ててしまう私は、
この日も一応そういう計画を立てていました。
朝の用事の片付け具合で無理っぽかったらやめておくつもりでしたが、
なんとなく間に合いそうだなと思った瞬間から動きがハイピッチに。
結局、計画どおりの4本ハシゴに。
 
1本目は大阪ステーションシティシネマにてカナダ/ベルギー作品を。
タイトルを聞いても何の話なのか全然ピンと来ない。
金融市場で繰り広げられる「高頻度取引」の実態をモチーフにした作品です。
 
株の取引って、ミリ秒単位で莫大なお金が動くんですよね。
何ミリ秒か遅れただけで大損したりする世界だから、
他社より少しでもはやく取引をおこなえれば大儲けできる。
本作の主人公のヴィンセントといとこのアントンは、
ニューヨークで株の高頻度取引を進める会社に勤めています。
 
トレーダーとして活躍するヴィンセントとアントンは、
傲慢な女社長エヴァのもとで言われるがままに働くのが嫌になり、
自分たちでもっと面白いことをして儲けようと考える。
 
取引速度を短縮するにはとにかく「直線」で結ぶこと。
そう信じるヴィンセントは、直線にこだわり、
カンザス州のデータセンターとニューヨーク証券取引所のサーバーの直線上に
ファイバーケーブルを敷設しようと思い立つ。
そうすれば、従来のアクセス時間を0.001秒短縮できるはず。
 
さっそくエヴァの会社に辞表を提出し、
信頼のおけるマークという男を仲間に引き込む。
資金を提供してくれそうな人物にヴィンセントが直談判。
見事スポンサーを射止め、土地の買収に着手するのだが……。
 
0.001秒ですよ。
息つくひまもないほどのミリ秒を短縮することに執念を燃やす人々。
この方面についてまったく無知な私の言うことですから聞き流してください。
言っちゃ悪いですが、トレーダーにはどことなく「人の褌で相撲を取る」的な印象がありました。
それが一変。そのアイデアといい、働きぶりといい、儲けて当然。
 
地下にケーブルを通すんだから、見た目の影響なし。
誰でも土地を売ってくれると思いきや、絶対嫌だと言う人もいるし、
勤務していた会社の社長はあの手この手で邪魔をしようとするし、
山や川にぶち当たって上手く掘れないことも。
 
どこの会社もミリ秒短縮しようと必死だから、
0.001秒縮めて喜んでいたと思ったら、
翌日には他社がさらに縮めている場合だってあるんですよね。
 
ヴィンセント役のジェシー・アイゼンバーグ、アントン役のアレキサンダー・スカルスガルド、○。
エヴァ役のサルマ・ハエックはハマりすぎて憎たらしいほど。
 
どんな仕事も、楽して儲けるのは無理。
そこにはさまざまな犠牲と苦労があるのだなとしみじみ思いました。

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