夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ロン 僕のポンコツ・ボット』

2021年10月29日 | 映画(ら行)
『ロン 僕のポンコツ・ボット』(原題:Ron's Gone Wrong)
監督:サラ・スミス,ジャン=フィリップ・ヴァイン
声の出演:関智一,小薬英斗他
 
TOHOシネマズ伊丹にて4本ハシゴの4本目。
 
エド・ヘルムズが声を担当する字幕版を観たかったけれど、
シアタス心斎橋まで行かないと観られないようだから、涙をのんで吹替版で手を打つことに。
 
イギリスのCGアニメーションスタジオ“ロックスミス・アニメーション”初の劇場長編アニメーション。
なのにアメリカ作品のようで、製作やら配給はいろいろとややこしい。
唯一の配給会社はディズニーの子会社である20世紀スタジオ。
「ディズニーが21世紀フォックスの買収を通じて20世紀を買収、
2020年12月4日、社名を20世紀スタジオに変更した」とウィキにあります。絶対ややこしいでしょ(笑)。
 
本作の舞台は子ども1人にロボット1台という時代です。
 
少年バーニーは父親と祖母の3人暮らし。
同じ学校に通う児童は全員、ロボット型デバイス“Bボット”を所有しているが、バーニーは持っていない。
Bボットはスマホよりハイテクで、所有者の何もかもを把握しており、友だち探しまでしてくれる。
それを持たないバーニーには友だちがひとりもいない。
 
バーニーの誕生日、プレゼントを喜ばない様子を見た父親と祖母は、
ようやく彼の望みがBボットであることを知って大慌て。
すぐに買いに走るが、あいにく店はすでに閉店。
あきらめきれずに駆けずり回ったところ、倉庫への搬入口を発見。
傷ありで返品となるはずだった不良品を買い取ることに成功する。
 
Bボットを受け取ったバーニーは、それにロンと名付けて大喜びするが、
デフォルトでインストールされているはずのものが何も入っていないせいでどうしようもない。
バカなロンに嫌気がさしたバーニーは返品しようとするのだが……。
 
面白かったけど、もやもやするのはなぜなのでしょうか。
結局、ロボットより生身の人間だよということにはならないのです。
何もかもインストールされた賢いロボットよりは、
時に言うことをきかない人間味のあるロボットね、ということ。
 
誰かと友だちになるときまでロボットに頼らなくちゃ駄目ですか。
そりゃSNSを始めたら、知らなかった友だちの一面までわかったり、
そんな趣味もあったのかと驚いたりして楽しいことはいっぱいあります。
でも、実際にしゃべるより前にまずはロボットに頼るって、
何か不思議というのか不気味な感じです。
 
友だちはいないと思っていたら幼なじみが手を差し伸べて、
いやいや、友だちだよと言ってくれる。
そんな良いシーンもあるけれど、現代の映画だなぁという気がして仕方ありません。
本作そのまんまの光景を見る日も実際に訪れそうに思います。

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