『バケモン』
監督:山根真吾
ナレーション:香川照之
せっかくシネ・ピピアまで出向いたのでもう1本。
『ブータン 山の教室』の次にこれも観ました。
テレビ番組の構成および演出家である山根真吾監督は、
2004(平成16)年に笑福亭鶴瓶を追いかけはじめたそうです。
そのとき鶴瓶は古典落語の大ネタ“らくだ”に本格的に取り組んだところ。
以来、“らくだ”を演じる鶴瓶をメインに、
芸人としての鶴瓶をカメラで追い続けた17年間の記録が本作です。
のっけから、標準語を話す人の「つるべ」のイントネーションが気になります(笑)。
ここを気にするのはあかんやろと自分でも思うのですが、どうしても気になる。
ここでつまずいてしまうともう乗れないわけで、ごめんなさい。
で、ですね、よく客が入っていましたが、こんなことでつまずいたのはおそらく私だけ。
作中の落語にも皆さんよく笑っていらっしゃいました。
ナレーションを担当したのが香川照之だと知ったのは、実はこれを書いている今なんです。
てっきり監督ご本人がナレーションも務めているのかと思っていました。
そうか、香川照之なのか。「つるべ」のイントネーションも致し方なし。
役者としての香川照之、嫌いじゃないですよ、好きです。
でもこのナレーションは力が入りすぎていて私は駄目でした。
彼の声が本作に合っていなかっただけではなく、
「マスク、マスク、マスク」とか「ニッポンチャチャチャ」の連呼とか、
そもそものナレーションの原稿が好きじゃない。
話があっちに行ったりこっちに行ったり、だらだらとしたものにも感じられて、
睡魔に襲われたところもあります。
“らくだ”だけに絞ってもよかったのではないかなぁ。
“らくだ”は改めて聴きたいとは思いましたが。残念ながらそれだけでした。