『ギャング・オブ・アメリカ』(原題:Lansky)
監督:エタン・ロッカウェイ
出演:ハーヴェイ・カイテル,サム・ワーシントン,アナソフィア・ロブ,ミンカ・ケリー,
デヴィッド・ジェームズ・エリオット,ジョン・マガロ,デヴィッド・ケイド他
イオンシネマ茨木にて。
上映館がやたら少ないじゃあないですか。
だからこれもNetflix独占配信の先行上映だったりするのかしらと思いましたが、
そういうわけではないらしい。仕事帰りに寄れる劇場だとここしかありません。
公式HPを見ると、いまだにハーヴェイ・カイテルは『レザボア・ドッグス』(1991)の。
サム・ワーシントンは『アバター』(2009)の。
このふたりの代表作ってこれになるんですかね。
私はサム・ワーシントンなら『崖っぷちの男』(2011)が好きだったなぁ。
批評家の評価は全然駄目ですけどね(笑)。
ハーヴェイ・カイテルなら何だろう、ありすぎるけど、『スモーク』(1995)かな。
最近では『異端の鳥』(2019)が印象に残っています。
という話はさておき、本作でハーヴェイ・カイテルが演じるのは、
1920年代から1970年代にかけて暗躍した伝説のマフィア、マイヤー・ランスキー。
1981年。
作家のデヴィッド・ストーンは、妻子を養う金を作れずに困り果てていたところ、
伝説的マフィア、マイヤー・ランスキーの伝記執筆を任されることに。
マイヤーが付けた条件は、「俺が生きているうちは、誰にも読ませるな」。
もしもその約束を破ったときはデヴィッド自身、そして家族の安全も保証されない。
デヴィッドはもちろん条件を飲み、マイヤーへのインタビューを開始する。
ポーランド系ユダヤ人の両親の間に生まれ、貧しい幼少時代を過ごしたマイヤー。
しかし、路上でおこなわれている賭け事を見て、ゲームを支配することを学ぶ。
数字に圧倒的に強いマイヤーは、暴力を愛するベン・シーゲルを相棒にビジネスを展開。
イタリア系マフィアの最高幹部ラッキー・ルチアーノの懐に入り込むと、
殺し屋集団“マーダー・インク”を結成するなどして、暗黒街に君臨する。
1960年代にはカジノを併設するホテルを建設。
投資で3億ドルを儲けたと言われており、資産の行方をFBIが追っていたが見つけられず。
デヴィッドがマイヤーに密着取材していると知ったFBIは再び捜査を開始し、
なんとかマイヤーに金の在処を吐かせるためにデヴィッドを利用するのだが……。
ハーヴェイ・カイテルの演技には適度な重みがあり、
マイヤー・ランスキーの人となりや生き様がわかるようで面白い。
しかし一方のデヴィッド・ストーンのほうの人生がまるでわからないのです。
こんなにも生活に苦労しているのはなぜなのか、
そんな売れない作家に伝説のマフィアの伝記を書く話が回ってきたのはなぜなのか。
しかもいとも簡単にハニートラップにかかってFBIに弱みを握られるという(笑)。
重さと軽さのバランスがちょっと悪い。
とはいうものの、最後まで面白く観ました。
そもそも私はマイヤー・ランスキーというマフィアがいたことも知らなかったので、
彼がアメリカ経済にいかに貢献したかを記すエンドロールの皮肉なテロップまで面白かった。
アル・カポネにしてもランスキーにしても、みんなほんとに資産を隠していたのかしら。
ランスキーがどこにお金を使ったのか。
想像の域は超えませんが、ちょっとウルッとします。