『国境の夜想曲』(原題:Notturno)
監督:ジャンフランコ・ロージ
晩ごはんを京都で食べることになり、その前に映画を2本。
京都シネマに行きました。
イタリア/フランス/ドイツ作品。
監督は『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』(2013)のジャンフランコ・ロージ。
第77回ヴェネチア国際映画祭で3冠を受賞するなど、評価が高い。
でも、テロップやナレーションが一切ないから、
何を見せられているのか終始わからないまま。
圧巻の映像の前には説明など余計ということなのかもしれないけれど、
こういうのは素人にツライのです。
戦争で失った息子を想い歌う母親たち。
ISIS(イスラム国)の侵略を目の当たりにした子どもたち。
政治風刺劇を上演する精神病院患者たち。
上記のような人たちを撮影しているのだとわかったのは鑑賞後。
そりゃなんとなくはわかります。
拷問されて亡くなったとおぼしき息子を哀悼する母親の歌声は胸に迫るし、
殺戮を目にした子どもたちが心のケアを受けて、訥々と話したり、
当時の状況を絵に描いたりするのを見たときは、
こんなことがあってよいものだろかと呆然としました。
文句を言うことは許されない作品でしょう。
でも、説明はやっぱりほしい。
予備知識がいっさいないと、そこここで睡魔に襲われる。
説明がないからこそ、この切実さがわかるとか言われたら、
いや、説明がなければわからんからと言いたくなってしまう。
寝たらあかんと思うのですけどね。寝てまうやん。
それぞれの国境地帯の様子をある程度は頭に入れてから鑑賞すべき。