夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『大河への道』

2022年05月25日 | 映画(た行)
『大河への道』
監督:中西健二
出演:中井貴一,松山ケンイチ,北川景子,岸井ゆきの,和田正人,田中美央,
   溝口琢矢,立川志の輔,西村まさ彦,平田満,草刈正雄,橋爪功他
 
病院から緊急連絡がないことを祈って109シネマズ箕面へ。
と病院にしか番号を知らせていない携帯をマナーモードにしてしっかり握りつつ鑑賞。
 
落語家立川志の輔の新作落語に惚れ込んだ中井貴一が企画したそうです。
中井貴一は自分が出演するつもりはなかったらしいけど、
彼以上に誰がこの役にピッタリだというのでしょう。思いつかん。
監督は私はお初の中西健二。さてさてどうか。楽しかった!
 
千葉県香取市の市役所
総務課主任の池本(中井貴一)は、部下の木下(松山ケンイチ)と共に観光振興策検討会議に出席。
無駄口ばかり叩く木下をたしなめていたところ、
観光課課長の小林(北川景子)に睨まれて、いい案があるのかと詰問される。
 
池本が苦し紛れにふと思いついて提案したのはNHK大河ドラマの制作。
地元の英雄・伊能忠敬を主人公にしてはどうかと口走ってしまう。
 
ところがこの案を耳にした千葉県知事がそれを妙に気に入り、
知事がファンであるという脚本家・加藤(橋爪功)にぜひとも執筆してもらうようにとのこと。
池本は加藤を訪ねるが、ここ20年、何も書いていない加藤は取りつく島もない。
 
しかしひょんなことがきっかけで加藤の家に上げてもらうことに成功した池本は
なんとか加藤に筆を取らせようと必死。伊能忠敬記念館に加藤を連れて行く。
すると、伊能忠敬が作り上げたという200年前の地図の前で加藤は驚愕。
 
脚本の執筆を承諾した加藤がいろいろと調べたところ、
なんと伊能忠敬は日本地図が完成する3年前に亡くなっていたことが判明して……。
 
この現代の話と、伊能忠敬が亡くなった1818(文化15)年から1821(文政4)年までの3年間の話を
同じ面々が演じているところがとても面白い。
 
師である伊能忠敬の志を継いで地図を完成させようと奮闘する測量隊員のメンバーは、
みんな市役所の職員を演じていた人たち。平田満岸井ゆきの和田正人、田中美央、溝口琢矢。
彼らの長となる幕府の天文方・高橋景保役が中井貴一。その助手・又吉役が松山ケンイチ。
 
北川景子は伊能忠敬の4番目の妻役で、地図の完成に協力します。
伊能忠敬の生死を怪しんで調べに来るお侍を演じる西村まさ彦は、現代の役回りが可笑しい。
橋爪功は伊能忠敬が眠る寺の住職と2役で、原作者の志の輔もラジオDJと医者の2役で登場。
 
千葉県知事は最後まで顔を見せないので、ここには書かないでおきますね。
徳川家斉の顔を見れば、あぁ、この人が知事役だなとすぐにわかるでしょう。よかった。
 
できあがった地図の全容を見られるシーンはちょっと感動。美しい。
200年前にひたすら歩いてこの地図を完成させたって、本当に凄い。
 
客の多くは中高年層で、共感能力が高い(笑)。笑いもよくこぼれていました。
ちょっとウルっともしたりして、地図をじっくり見たくなる作品です。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする