夜な夜なシネマ

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『静寂の彼方に アイスダイビングの世界』

2022年05月21日 | 映画(さ行)
『静寂の彼方に アイスダイビングの世界』(原題:Hold Your Breath: The Ice Dive)
監督:イアン・デリー

今年に入って一度も休まずにブログを更新してきたけれど、さすがに今日は無理だ。
あきらめよう。と思ったけれど、今日が終わるまでまだ時間があるじゃあないか。

5月3日からNetflixにて独占配信されているドキュメンタリー。
イギリス/フィンランド作品で、40分の小編です。

アイスダイビングという競技の存在すら知りませんでした。
だって、正気の沙汰とは思えませんもの。氷の下に潜ってその距離を競うなんて。
真冬ですよ、氷原ですよ。しかも普通(じゃないかもしれんけど)の水着で。

フィンランド出身の女性アイスダイバー、ヨハンナ・ノードブラッド。
彼女は幼い頃から水中が好きだったそうです。
水中ではなぜだかとても落ち着き、焦燥感などが消え去るらしい。

氷原に空いた穴から潜ったら、次の穴まで一気に進まなければなりません。
当初の女子世界記録はヨハンナ自身が持つ50メートルでした。
男子世界記録は80メートルで、ヨハンナは「行けそう」だと考えます。

練習を積んで男子世界記録を塗り替えようと思っている間に、コロナがやってくる。
こんなところでもコロナのせいで困ったことになっていたのですね。
プールが閉鎖されて思うように練習できない。
氷の冷たさを感じることもできず、それこそ焦燥感に駆られます。
その間に他人によって記録は塗り替えられ、公式記録としては70メートル、
そして非公式記録としてはなんと102メートルが出てしまう。

それでも努力し続けたヨハンナは、2021年3月、ホッサオロリ湖で記録に挑みます。
氷の中を80メートル進めば、それだけで低体温症になるそうな。
救急救命士なども立ち会い、ヨハンナの挑戦を見守ります。

ヨハンナが大変なのは言うまでもありませんが、一緒に潜るカメラマンも大変。
ヨハンナとは異なってドライスーツに身を包んでいるものの、
水中環境に影響を与えないよう、実に慎重に撮影しなければなりません。

氷の下を見事103メートル、泳ぎ切ったヨハンナ。
冷たい水中のシーンは表現しがたいほど美しく、大画面で観たくなる。

フィクションでもノンフィクションでも、寒そうなやつに目がありません。(^^;

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