『ノック 終末の訪問者』(原題:Knock at the Cabin)
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:デイヴ・バウティスタ,ジョナサン・グロフ,ベン・オルドリッジ,
ニキ・アムカ=バード,クリステン・ツイ,アビー・クイン,ルパート・グリント他
前述の『生きる LIVING』の後、同じくTOHOシネマズ梅田にて。
M・ナイト・シャマラン監督って凄いですよねぇ。
どんな評価を受けようともワケのわからないものをコンスタントに撮り続ける。
なんだかとっても楽しんでいらっしゃることはわかります。
だから、『シックス・センス』(1999)以降、必ず観てしまう監督です。
本作もワケわからん。
原作はポール・G・トレンブレイのベストセラー小説『終末の訪問者』だそうですが、
その映画化であることをなぜか伏せたまま製作が進められ、
発表時には小説と酷似していると盗作騒ぎになったとか。
原作を伏せておく必要があるとも思えず、そこからしてワケわからん(笑)。
人里離れた山小屋でのんびりと休暇を楽しむ家族は、
ゲイのカップル、アンドリューとエリックとその養子ウェン。
生まれたときに彼らに引き取られたウェンは、父親ふたりの存在を頼もしく思っている。
ウェンが表でバッタを捕まえていたところ、見知らぬ男が声をかけてくる。
いかついその姿にウェンが警戒する様子を見せると、
男はレナードと名乗り、一緒にバッタを捕って見せる。
少し警戒を緩めたウェンだったが、ほかに武装した男女3人も現れたものだから仰天。
話をしたいから家の中に入れてくれというレナードたち。
アンドリューとエリックは彼らの侵入を阻止しようとするが無理。
押し入られて縛り上げられてしまう。
レナードが言うには、彼ら4人はもともとの知り合いではなく、
終末のビジョンをそれぞれが見て自然に集まったらしい。
そして世界を終末から救うためには、アンドリュー、エリック、ウェンの中から1人、
犠牲となる者をアンドリューたち自身が選んだうえで、
これまたアンドリューたち3人のうちの誰かの手によって殺されなければならないと。
荒唐無稽な話としか思えず、アンドリューらはその要求を拒絶。
すると4人が順番に死ぬことを受け入れる様子を見せられるはめに陥り、
原作を読んでいれば、もう少しわかりやすいのかもしれませんが、
読んでいない私にとっては、そりゃもう目が点になるしかない話。
眠くはなりません。つまらなかったかと聞かれたらそんなこともない。
ただ、アンドリューやエリックが感じたとおり、「荒唐無稽」。
4人それぞれが何を表す人だったのかは最後に教えてもらえるけれど、
人類を救うためにゲイのカップルと養子のうちの誰かが犠牲にならなきゃいけない理由は何?
教えてくれないと全然納得できません。ここでLGBTを持ち出されても、私には理解不能。
そして、終末をもたらすのは誰なんですか。神なのか何なのか。
加えて、アンドリューが相当暴力的なため、気の毒だと思い切れなくて。
養子のウェンがアジア系というところも、最近の映画の傾向のように思えます。
いいんですけど、そこはハリウッド映画なんだから別に白人でいいのではという気が。
いろんな人種が共に平和に生きる世界を目指すということなのでしょうか。
お茶目なM・ナイト・シャマラン監督は、本作にも一瞬登場しています。
こういうところは好きなんですけどね。
いやまぁ、なんじゃこりゃと思いながらも全作観ているから、好きなんでしょ。(^^;