夜な夜なシネマ

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2023年6月に読んだ本まとめ

2023年07月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2023年6月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2288ページ
ナイス数:714ナイス

■床屋さんへちょっと (集英社文庫)
この著者も何年か前にドハマりして大人買いした人です。思いのほか著作が多くて、同じ著者を続けて読まないことにしている私が読破するのは相当の時間を要します。本作は10年以上前の作品ですが、床屋は床屋、どんな時代になろうがきっと存在し続ける。いずれロボットが髪を切ってくれるサロンが登場するかもしれないけれど、寡黙な店主だったり聞き上手なスタッフだったり、やはり人の良さは代えがたいものではないかなぁ。ちょうど1年前に亡くなった弟が通っていた美容院に今は私もお世話になっています。床屋さんへちょっと顔を出したくなる。
読了日:06月02日 著者:山本 幸久

■驚きの雑学 世の中の「ウラ事情」はこうなっている (PHP文庫)
去年亡くなった弟の本棚にあった本です。弟は「読むこと」自体は嫌いではなかったらしく、ネットで見つけたあれこれのURLを送ってきては「読んでみて」と言っていたけれど、紙の本はほぼ読まなかったようだから、余計になぜこれを持っていたのか気になります。今となってはその理由を聞くこともできませんが、誰かからもらったとしか思えない(笑)。なにしろ初刷が2000年。今から四半世紀近く前の話は何もかも古すぎます。でも、子どもの頃に聞いた「死体洗いのバイト」の話などは、死体に足を引っ張られる怪談を思い出して懐かしくなった。
読了日:06月04日 著者:日本博学倶楽部

■怪物 (宝島社文庫)
小説の映画化ではなくて映画の小説化だから、そのまんまの話なのは当たり前。映画を観て腑に落ちなかったシーンをするりと解説してくれているかのようです。是枝監督作品はなんとなく鼻について、今まで世間で評価されるほどには好きになれなかったけれど、本作はすごく好きでした。予告編を観て子どもを想う母親vsイカれた教師を想像していた自分の浅はかさを思い知らされました。少しだけ気になっていたシーンの所以がわかってスッキリ。だけど不思議なことに、スッキリすると余韻も薄れる。映画を観てから本作も読むことをお勧めします。
読了日:06月13日 著者:佐野 晶

■駅の名は夜明  軌道春秋Ⅱ (双葉文庫 た 39-02)
時代小説に苦手意識のあった私に“みをつくし料理帖”を全巻まとめて貸してくださった姐さんがいて、要らないと言えずに読みはじめたらどっぷりハマる。あれから何年経ったことでしょう。もちろん“あきない世傳”にもズボッと。シリーズが終わったタイミングで同じ姐さんにお借りした本作は時代物ではありません。読者の年齢層を意識してのことか文字も若干大きくて、より読みやすい。北海道が登場したせいなのか、ちょっと桜木紫乃っぽい。結局、時代物であれ現代物であれ、こういう文体が私は好きなのでしょうね。国鉄時代を知る人、特にどうぞ。
読了日:06月14日 著者:髙田 郁

■LIVE 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花 (角川ホラー文庫)
とっとと読むはずが、あまりに怖そうで深夜には頁をめくれず。だって人形ですもの、しかも花嫁人形。プロローグの状況を想像するだけで怖気が走る。比奈子恵平のような可愛げはないと思われた清花でしたが、飄々とした班長と頼もしく可笑しい班員に囲まれて、自らを省みながら様々な見方ができるようになっていく様子が良い感じ。産毛まで生えている人形となれば、もう「それ」しかないわけで、想像力を働かせないようにして読みました。ホラー苦手と言いつつ観た『ミーガン』よりこっちのほうがおぞましい。人形婚や冥婚に興味を引かれます。
読了日:06月21日 著者:内藤 了

■隣はシリアルキラー (集英社文庫)
勇気を振り絞って『忌怪島』を観に行った後、内藤さんの花嫁人形がおぞましいヤツを読んで、さらには中山さんのこれも読んで、何が楽しゅうて私の毎日ホラー漬けなのか。各章にタイトルが付いているため、隣室にまつわる短編集なのかと思っていたら長編でした。ホラー慣れしてしまったのか、五感からは震え上がりません(笑)。でも中山さんの話には、外国人技能実習生の話だとか戸籍を買う話だとか、社会背景が反映されていて、どことなく重い。とはいえ、気楽に読める作品です。何を読んでも“御子柴弁護士”シリーズの面白さには敵わないけれど。
読了日:06月24日 著者:中山 七里

■トラップ・ハンター 憑依作家 雨宮縁(祥伝社文庫な25-4) (祥伝社文庫 な 25-4)
いったいどれだけ筆が速いのか、内藤さん。毎月出るよ、各シリーズから1冊ずつ。続編がありそうだったのに1巻で終わった“微生物研究室特任教授坂口信”なんてのも過去にありましたが、それ以外はきっちり続いています。若い女子から老人まで違和感なく変装するなんて無理だろうと思っていたけれど、秘書の庵堂の来歴がわかってくると、縁は何にでもなれそうな気がしてきます。戦慄の展開の中で、編集者・真壁と装丁デザイナー・蒲田のおっかなびっくりの様子が面白い。実際にイベントに居合わせた気分にもさせられました。どこまで続くのかしら。
読了日:06月29日 著者:内藤了

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