夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー』

2024年06月17日 | 映画(あ行)
『俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー』(原題:Ricky Stanicky)
監督:ピーター・ファレリー
出演:ザック・エフロン,ジョン・シナ,ジャーメイン・ファウラー,アンドリュー・サンティーノ,
   レックス・スコット・デイヴィス,アンニャ・サヴィッチ,ウィリアム・H・メイシー他
 
Amazonスタジオ制作のオリジナルです。2024年のアメリカ作品。
Amazonプライムビデオにて今春より独占配信中。
 
冒頭、あまりのお下品さに観るのをやめようかと思ったほどですが、
一旦観はじめたらとりあえず最後まで観るのが信条です(笑)。
 
幼なじみのディーンとウェスとJTは、1999年のハロウィンの夜、
ケチだと思われていた近所の住人を懲らしめてやろうとちょっとした悪戯を仕掛けるが、
それが火事騒ぎとなって大弱り。
その場から逃げるさいに「犯人はリッキー・スタニッキー」と、
実在しない子どもの名前を書き残したところ、功を奏して追及を免れる。
 
以来、いい歳になった今も3人はリッキーを実在の親友として仕立て上げ、
妻や恋人に内緒で出かけたいときは「リッキーが病気」などと口実に使っている。
 
ある日、そんなふうにいつものように3人で出かけてハメを外している間に、
JTの妻スーザンが予定よりずっと早く産気づく。
出産に立ち会えなかったJTを義母が見咎め、リッキーは実在しないのではないかと言い出し、
本当にいるならば赤ん坊のブリス(割礼の儀式)に呼べと言う。
 
困り果てた3人だったが、ディーンが妙案を思いつく。
それは、ハメを外しているときに出会った売れない物真似タレントのロッドに、
リッキーのふりをしてもらうよう、仕事として依頼すること。
アル中で一文無しのロッドに、多忙で有能で愉快という想定のリッキー役を任せるなんて。
不安は大きいものの、そうするしかこの局面を乗り切る方法を思いつかず……。
 
少年時代の3人の悪戯というのがすでにう○こまみれでゲンナリ。
そこへ来て、ジョン・シナ演じるロッドの芸が下ネタすぎてほんとにウンザリ。
リッキーのふりをする仕事を引き受けたと思ったら、空港でゲロ吐いて失禁してるし。
この辺りで観るのをやめようかと思いましたがな。
 
しかし耐えながら観つづけたら、結局は面白くて。
どうにも信用できないはずのロッドもなんだかんだでプロの芸人。
ディーンたち3人が創り上げたリッキー像以上の人物を演じ、
高慢な客人には辛辣ながら的を射た話をしてみせて、皆が舌を巻きます。
 
3人のうちウェスは、嘘の上塗りが嫌で、恋人たちに真実を話そうと言いますが、
ディーンとJTは自分勝手そのもの。
嘘をつくためにロッドを雇ったくせして、ロッドの活躍が面白くなくて陥れようとする。
おまえら地獄に落ちろ!と思ったけれど、ロッドのおかげでそうはならない。
ディーンの彼女エリンがとても素敵で、女優陣もとてもよかった。
 
エンドロールで監督がピーター・ファレリーであることに気づく。
そりゃ下ネタ満載のはずだわと笑いました。ならばオッケー。
世界中で絶賛の声が高かった『グリーンブック』(2018)を黒人監督から「最悪」と評されたファレリー監督。
黒人でゲイのウェスに「クリスマスはゲイにはつらいイベント」とつぶやかせるところなど、ちょっとしんみり。
 
サンタクロースがデブなのは何故だ。
マッチョでもいいじゃないかというウェスの意見になるほど。
マッチョなサンタのイラストがサイコーです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする