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『ディア・ファミリー』

2024年06月20日 | 映画(た行)
『ディア・ファミリー』
監督:月川翔
出演:大泉洋,菅野美穂,福本莉子,新井美羽,上杉柊平,徳永えり,
   満島真之介,戸田菜穂,川栄李奈,有村架純,松村北斗,光石研他
 
TOHOシネマズ伊丹にて4本ハシゴの3本目。
 
実話に基づく。原作は既読です。そのときの感想はこちら
名前は少し変えてあって、実際は筒井さん、映画では坪井さん。
 
町工場を経営する坪井宣政(大泉洋)は、妻の陽子(菅野美穂)と娘3人の5人家族。
生まれつき心臓に疾患を抱える次女の佳美(福本莉子)は、余命10年を宣告される。
 
20歳まで生きられないと言われた佳美をなんとか救いたい一心で、
坪井は自ら人工心臓を作ることを決意。
しかし医療のことなどまったくの門外漢だから、誰かに教えを請うしかない。
主立った大学の授業に潜り込んでも専門用語がわからず、
困り果てていた坪井に声をかけてくれたのが東京大学の医学博士・桜田純(満島真之介)。
桜田にいろいろ教えてもらい、学びを深めてゆく坪井。
 
その道の先端を行く東京都市医科大学の教授・石黒英二(光石研)に会いに行った坪井は、
追い返されても追い返されてもあきらめない。
その熱意に負けた石黒は、佐々木肇(上杉柊平)や柳玲子(徳永えり)ら数名の研究医でチームを結成し、
坪井と共に人工心臓の開発に携わるように指示する。
が、メンバーのひとりだった富岡進(松村北斗)は10年で開発できるわけがないと即抜ける。
 
予算の計上を申請してもなかなか通らないなか、坪井は自費で試作を重ねるが、
その間にも佳美の病状は進行して……。
 
原作と比べると、かなり「泣き」の方向へ寄せられていることは否めません。
実際、これは涙なくしては語れない話ですから、そこにツッコミを入れるべきではないのでしょうけれど。
 
とにかく老けメイクが苦手な私は、冒頭の老いた大泉洋と菅野美穂のメイクにドン引き。
そこでサーッと冷めてしまった部分がありますが、良い話であることは間違いない。
泣かせようとしている話では泣けないことも多い私だけど、泣きますよ、そりゃ。
娘の命は救えなくても、ひとりでも多くの命を救うという、娘との約束は果たした坪井(=筒井さん)。
 
協力的かと思われた大学も出世を気にする医師が手のひらを返すような態度になったり、
機関同士の暗黙の掟のようなものが存在したり、そもそも莫大なお金がかかります。
 
何がビックリって、これは映画版ではあまり触れられていないことですが、筒井さんって文系学部のご出身なんですよね。
それが人工心臓の開発って、娘のためとはいえ、人間やる気になれば何でもできるもんだと驚かざるを得ません。
できないと思えばできない。
できるわけがないと思ったら、そこで終わってしまうということを改めて教えてもらいました。

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