『アンビュランス』(原題:Ambulance)
監督:マイケル・ベイ
出演:ジェイク・ギレンホール,ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世,エイザ・ゴンザレス,
ギャレット・ディラハント,A・マルティネス,キーア・オドネル,ジャクソン・ホワイト他
イオンシネマ茨木にて『ヴォイジャー』を観た後、109シネマズ箕面へ移動。
月曜日からこんな過酷なハシゴをする必要があるのかと思いながら(笑)。
ところで「過酷」と「苛酷」ってどう使い分けるのでしょうか。
ついでに調べてみたところ、「過酷」を主に使う新聞が多いようです。
そこにさらに無慈悲なさまが加わると「苛酷」になるようで。
私のハシゴは別に誰に強いられたわけじゃなし、「過酷」で済みますね。
さて、本作はデンマーク映画『25ミニッツ』(2005)のリメイクなのだそうです。
監督はマイケル・ベイ。もう御大だと思っていたら、まだ57歳でした。
私が唖然とした『パール・ハーバー』(2001)は別として、
カネのかかったド派手な、エンターテインメント性の高い作品を撮るというのか、
エンターテインメント性しかない作品を撮る監督です。
元海兵隊員のウィルには癌に罹っている妻とまだ赤ん坊の息子がいる。
妻に手術を受けさせるために保険を使いたいが、
戦争の英雄ウィルに対しても軍は冷たく、いつも電話を切られてしまう。
妻に心配をかけたくなくて、保険が下りることになったと嘘をついたウィルは、
金を工面するため、血のつながらない兄ダニーのもとを訪ねる。
20万ドルほど貸してほしいというウィルをダニーは鼻で笑い、
銀行強盗で3200万ドル稼げる話があるから協力せよと言う。
強く拒むウィルだったが、妻のことを思えば金を手に入れる方法はそれしかない。
数々の銀行強盗を成功させてきたダニーは今度も失敗しないはず。
ところが想定外のことが起こって失敗、追いかけられるはめに。
しかも、乗っ取った救急車には撃たれた警官ザックと救命士キャムが乗っていて……。
137分の大半が救急車とパトカーやヘリコプターの逃走・追走劇です。
ダニー役にジェイク・ギレンホール、ウィル役にヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世。
前者は白人、後者は黒人で、ふたりの少年時代にダニーの父親がウィルと養子縁組し、
肌の色は違えども、とても仲の良い兄弟として共に育った様子。
そのおかげでウィルはいじめを受けることもなく、楽しく過ごしたふうです。
しかし、ふたりの父親は筋金入りの犯罪者でサイコパス。
その血を引くダニーは、自分は父親とは違うと言いつつ、
父親の勧めで警察学校に通うなど、警察の戦略を熟知しています。
その学校で彼と友だちになったFBI捜査官も追走に加わり、
マイケル・ベイ監督らしくとにかく派手にぶっ飛ばす。
キャム役のエイザ・ゴンザレスは本作まであまり印象に残っていない女優でしたが、
これぐらい出突っ張りだとさすがに顔を覚えますね。
どんな怪我人も20分間は生かすけれどその後どうなろうが無視するという噂のクールビューティー。
でもこの事件が終わったとき、彼女の気持ちが動くシーンはよかったです。
現場の指揮を執るモンロー警部役のギャレット・ディラハントが
最初は犯罪者側かと思われるようなチャラい服装だったり、
ダニーの父親と旧知の闇社会の大物パピ役のA・マルティネスもイカれていたりと、面白い役回り。
んで、やっぱりエンターテインメント性しかありません(笑)。
『ザ・ロック』(1996)だとか『バッドボーイズ2バッド』(2003)だとか、
自身の監督作の名前をしきりと出したがるのって、歳を取ったせいですか。(^^;
「エンターテインメント性しかない」って、結局イコール面白いんですけどね。