『ナイトメア・アリー』(原題:Nightmare Alley)
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:ブラッドリー・クーパー,ケイト・ブランシェット,トニ・コレット,ウィレム・デフォー,
ルーニー・マーラ,ロン・パールマン,メアリー・スティーンバージェン,デヴィッド・ストラザーン他
109シネマズ大阪エキスポシティにて、仕事帰りに2本ハシゴ。
その1本目はギレルモ・デル・トロ監督の最新作。
デル・トロ監督はここ5年間、『パシフィック・リム:アップライジング』(2018)をプロデュースしたり、
『魔女がいっぱい』(2020)の脚本を書いたりと、なかなかにご多忙ではありますが、
監督作となると『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)以来です。
無冠に終わってしまいましたが、私はデル・トロ監督の描く世界がやっぱり大好きです。
ただし、デル・トロ監督ファンならご存じのとおり、結構グロいし、暗い。
「映画慣れ」していない人で、楽しい作品を観たい人にはお薦めできません。
原作は1946年にアメリカで出版されたウィリアム・リンゼイ・グレシャムの同名ノワール小説。
“Nightmare Alley”とは「悪夢小路」という意味です。
1939年のアメリカ。
ブラッドリー・クーパー演じる主人公スタンが、遺体が入っているとおぼしき袋を床下に放り投げ、
その家に火をつけて立ち去るシーンから始まります。
列車に揺られてなんとなく降りた駅で、スタンは怪しげで華やかなカーニバルにたどり着く。
そこでは「獣人」と呼ばれる男が生きた鶏に食らいつくフリークショーが繰り広げられていた。
ショーの後、逃走を図った男をスタンがなんとか捕まえたところ、
カーニバルを仕切るクレムは、流れ者のスタンを使えると見て雇うことに。
スタンは千里眼の見世物を担当するジーナと親しくなり、
彼女のアル中の夫ピートから読心術のテクニックを学びはじめるが、ピートが急逝。
それを機に、電流ショーのヒロイン、モリーを連れて一座を抜け出す。
時は経ち、2年後。スタンとモリーはコンビを組んで大成功していた。
一流ホテルで金持ち相手に披露する読心術のショーは連日盛況。
ところがある日のショーで、客のうちのひとりである心理学者リリスから、
スタンの読心術はイカサマだと文句をつけられ……。
クレム役にウィレム・デフォー。
ジーナ役はトニ・コレット。ピート役はデヴィッド・ストラザーン。
カーニバルの芸人の中にはデル・トロ監督作品の常連、ロン・パールマンもいます。
リリス役にケイト・ブランシェット、モリー役にはルーニー・マーラ。
スタンのカモとなる富豪エズラ役をリチャード・ジェンキンスが演じています。
怪しげな雰囲気がなんとも言えません。
ジーナから「幽霊ショーはやっては駄目。悪いことが起きる」と忠告されていたのに、
金に目がくらんでいるスタンはペテンを続けます。
人を騙すことに良心の呵責を感じるモリーが止めても気にしない。
結果、どんな結末を迎えるかは想像どおり。
想像どおりなのに、その結末が訪れたときのスタンの台詞が心に突き刺さりました。
この宿命を受け入れますか。
余談ですが、ブラッドリー・クーパーの起用が決まる前は、
レオナルド・ディカプリオに出演オファーが行っていたとのこと。
なるほど、それもありだったかなと思います。