『徒花 ADABANA』
監督:甲斐さやか
出演:井浦新,水原希子,三浦透子,甲田益也子,板谷由夏,原日出子,斉藤由貴,永瀬正敏他
イオンシネマ茨木にて。
長編デビュー作だった『赤い雪 Red Snow』(2017)で注目された甲斐さやか監督による第2作。
しかし私はそのデビュー作を未見なのでお初ということになります。
未知のウイルスが蔓延している近未来。
ごく限られた上層階級の人間だけが自分と全く同じ外見の“それ”を持つことが許されている。
育てられた“それ”の命をもらえるようにする延命治療のひとつ。
病に侵されて療養中の新次(井浦新)も“それ”を持つうちのひとり。
裕福な家庭に育ち、妻子にも恵まれて順風満帆な人生を送ってきたはずだが、余命はわずか。
“それ”に会うことは基本的に禁じられているところ、新次は会ってみたいと切望。
医師(永瀬正敏)が特例を認め、新次は自分の“それ”(井浦新の1人2役)と面会する。
すると、見た目は自分とまったく同じであるにもかかわらず、
“それ”は想像以上に知的で、自分よりもずっと純粋な心を持っている。
面会を重ねるうち、新次は“それ”の命を奪うことについて考えはじめ……。
静謐な雰囲気に石井岳龍監督の『シャニダールの花』(2012)を思い出しました。神秘的。
だけど話があちこちに飛ぶせいか、こちらの注意力も散漫になります。
雰囲気づくりに借り出されたみたいな感じで、よくわからないから眠くなる。
“それ”と呼ぶのもややこしいですよね(笑)。
会話の中で「それ」が出てくると、“それ”なのか「それ」なのか一瞬わからなくなって迷う。
すぐに「あ、これは“それ”のことね」と思うけれど、こんな迷い方は無駄だ。(^^;
結局雰囲気だけに魅せられてうとうとしそうになっている間に終わってしまった感じです。
ずっと夢見心地。そのわりに後味はよくありません。