『BLUE GIANT』
監督:立川譲
声の出演:山田裕貴,間宮祥太朗,岡山天音他
イオンシネマ茨木にて、前述の『別れる決心』の次に。
『別れる決心』は客席に私ひとりでしたが、21:30より上映の本作は20人くらいは客がいたかな。
原作は石塚真一の同名コミック。大ヒット作なのだそうですが、私は初耳ですみません。
『ビッグコミック』にて2013年から3年少しにわたって連載されていたとのこと。
監督は『名探偵コナン ゼロの執行人』(2018)の立川譲。
予告編に魅入られて、ぜひとも観たいと思っていたアニメです。
世界一のジャズプレーヤーになると決意し、河原で毎日テナーサックスを吹き続ける。
高校卒業を機に上京すると、同級生だった玉田俊二のアパートへアポなし突撃。
断れないことがわかっている俊二に頼んで同居させてもらう。
バイトでいくらかの金を貯めた大が向かったのは、“TAKE TWO”というバー。
ここで夜な夜なジャズライブがおこなわれていると思いきや無し。
意気消沈気味の大を見たママは、「ここへ行ってみるといい」とライブハウスを教えてくれる。
すぐにそこへ足を運んだ大は、凄まじい腕前のピアニストに驚く。
そのピアニスト・沢辺雪祈はなんと大と同い年だという。
物怖じしない大からバンドを組もうと言われた雪祈は嫌な顔を見せるが、
大のサックス演奏を聴かされて考えを改める。
ママの厚意で“TAKE TWO”を借りて練習を始めるふたり。
一方、大学のサッカーサークルを訳あって辞めた俊二は、
たまたま手持ち無沙汰だった折に、大からドラムもどきのことをさせられてシビれる。
大と雪祈のバンドに入りたいと思い、懸命に練習。
3人はバンド名を“JASS”と決めて活動を開始するのだったが……。
音楽はほぼジャンルを問わず好きですから、ジャズももちろん聴きますが、
特にジャズ好きだというわけではありません。
しかし本作を観ると、俊二じゃないけど本当にシビれる。
ジャズはゴールがないからずっと上を目指せる、どこまででも行けるという大の言葉が胸に刺さる。
母親が音楽教室を開いていたために幼い頃から音楽に触れ、音楽家になるのが必然だった雪祈。
4歳のときにはもうピアノを弾き始めていたと言います。
大のほうはまだほんの3年か4年。なのにその演奏に雪祈は圧倒される。
好きこそものの上手なれと言いますが、どんなに暑い日も寒い日も、大は楽しんで練習する。
一生懸命というよりは、まさに一所懸命。
本作で演奏を担当されている人たちがどういう人なのだか私は知らないし、
プロの音楽家が本作を観てどう感じるのかも知りませんが、音楽っていいなぁと思う。
まぁ、雪祈が事故に遭って右手を潰すのは要らない話だと思わなくもない。
感動を煽る話になってしまった気がするから。でもそのほうが一般的には受けがいいかしら。
情熱は赤じゃなくて、赤を通り越して青なんですね。