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『シャイロックの子供たち』

2023年03月04日 | 映画(さ行)
『シャイロックの子供たち』
監督:本木克英
出演:阿部サダヲ,上戸彩,玉森裕太,柳葉敏郎,杉本哲太,佐藤隆太,渡辺いっけい,
   忍成修吾,木南晴夏,酒井若菜,森口瑤子,徳井優,柄本明,橋爪功,佐々木蔵之介他
 
109シネマズ箕面にて、2本ハシゴの1本目。
 
どうも私は本木克英監督のことを本広克行監督と間違いがち。
本と克が氏名に入っているというだけなんですけれどねぇ。
どちらも一般受けがよさそうなわかりやすい作品をお撮りになる。
しかし本木監督は以前はもう少し硬派な作品も撮っていた気がします。
ここのところ、エンタメ路線まっしぐらな感じで、
より本木・本広両監督のイメージがダブってきました。
 
それはそれで良しとして。池井戸潤原作ですもの、わかりやすく面白いに決まっています。
 
メガバンクである東京第一銀行の長原支店。
支店長・九条(柳葉敏郎)の機嫌を取る副支店長・古川(杉本哲太)から、
融資先を見つけろと尻をたたかれまくっている部下たち。
営業成績の上がらない課長代理・遠藤(忍成修吾)は精神の崩壊寸前。
一方、赤坂支店から異動してきたばかりの滝野(佐藤隆太)は早くもエースに。
 
ある日、滝野は赤坂支店時代の顧客・石本(橋爪功)から呼び出される。
石本は自分が譲り受けた会社が危うくなっていることを滝野に伝え、
立て直すために10億円を融資してほしいという。
しかもトンズラしたその会社社長に石本がなりすまし、書類もすべて偽造だというのだ。
 
石本に弱みを握られている滝野がなんとか話を作り上げて融資にこぎつけたものの、
いざ10億円が支払われると石本が返せないと言い出す。
上司にバレると困る滝野は、石本に代わってその月の利息分を工面しなければならず、
長原支店で無造作に置かれていた900万円のうち100万円を盗む。
 
100万円が消えた長原支店は大騒ぎに。
総動員で探していると、ちぎられた帯封がお客様係・北川(上戸彩)のロッカーから出てくる。
無実を訴える北川をかばうその上司・西木(阿部サダヲ)は、本件に関する陰謀を嗅ぎ取り……。
 
ちょっと話を詰め込みすぎのきらいはあります。
冒頭では佐々木蔵之介演じる何者かわからない人が出てきて、
意味深に「金は返せばいいというものじゃない」というモノローグ。
その意味がわかるのはずいぶん後になってから。
 
ロッカーから帯封が出てきて気の毒な上戸彩については、女子社員同士の嫌がらせが原因で、
いつもは比較的明るくお茶目なキャラの木南晴夏がまさかのめちゃくちゃ陰険な奴。
三角巾が似合いそうな男子だと私が思っている玉森裕太ですが、今回に限っては給食のおばちゃんぽくない(笑)。
阿部サダヲ演じる西木は西木で兄弟の借金を抱えていたりと大変で、
みんながみんないろいろとありすぎて、群像劇のようになっています。
 
予告編で阿部サダヲが「ハッキリと詐欺だな」と話していたのは、
てっきり上戸彩と玉森裕太との会話の中での台詞だと思っていたら、違うのか。
そこでその台詞が出るとは。大笑い。これはよかった。
 
柄本明はさすがですね。付近にいくつか物件を持つ爺さんの役。
タヌキ親父ばかりいるなか、彼と阿部サダヲが組んでタヌキたちに一杯食わせるのは痛快です。
 
“半沢直樹”で堺雅人演じる半沢の妻役だった上戸彩がこんな役で出演していたり、
本作のTVドラマ版で九条役を演じていた前川泰之がここでは司法書士役で出演していたりと、
ちょっとゲスト出演的なところがあるのも面白いと思います。
 
それにしても池井戸潤原作の作品を観ていると、毎度銀行不信に陥る。(^^;
つい先日も行員が5千万円着服していたというニュースがあったところ。
見えるところに金があるとついつい手が出てしまうのか。ほとんどの人はそんなことないのでしょうけれど。

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