夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『アイアム・ア・コメディアン』

2024年09月16日 | 映画(あ行)
『アイアム・ア・コメディアン』
監督:日向史有
 
シアターセブンにて。
 
『東京クルド』(2021)の日向史有監督がお笑いコンビ“ウーマンラッシュアワー”の村本大輔に密着。
時間的に合ったので観に行きましたが、ウーマンラッシュアワーを好きなわけじゃなし、村本大輔のこともほぼ知らず。
だから、彼のネタが政治的すぎるとして炎上したことも知らず、
超売れっ子だったのにいつのまにかテレビに出演することがなくなっていたのも知りません。
こんなふうに何も知らない状態からですから、逆に興味深く観ることができました。
 
東日本大震災の被災者が仮設住宅で不自由な暮らしを続けているというのに、
世の中は東京オリンピックに向かって盛り上がり、新国立競技場に莫大な予算を割いている。
そんな話だとか、在日の人の話だとか、テレビではおよそタブー視されてきたであろうことを
村本は臆することなく漫才やトークのネタとして喋りつづける。
そりゃテレビでは使われなくなりますよねぇ。何を言うかわからない芸人なのですから。
 
彼の心意気は凄いと思うし、何も間違ったことは言ってない。
ただ、好きかと聞かれると、私には面白いとは思えません。
単純に、芸として面白いと思えなくて、笑えないのです。
 
大阪に生まれ、大阪で育ち、これまでの人生を大阪以外で過ごしたことがない私は、
やっぱり関西弁が好きで、関西弁の芸人が好き。
アメリカのスタンダップコメディの面白さはまったくわからないし、それを村本がやったところで同様。
 
彼がやりたいことは真っ当で、応援もしたい。
だけど面白くはないから笑えない。
彼の話で笑える人たちでどうぞ、と思ってしまうのでした。
でも本作を観たら、彼の今後の活動は気になると思います。

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