『喜劇 愛妻物語』
監督:足立紳
出演:濱田岳,水川あさみ,新津ちせ,大久保佳代子,坂田聡,宇野祥平,
河合優実,黒田大輔,冨手麻妙,夏帆,ふせえり,光石研他
梅田ブルク7から大阪ステーションシティへ移動して。
『百円の恋』(2014)、大大大好きな作品でした。
安藤サクラがよかったのはもちろんのことですが、
新井浩文もめちゃくちゃよかったから、事件のことが残念で仕方ありません。
という話はさておき、その『百円の恋』の脚本家・足立紳の自伝的小説をご自身が映画化。
小説のタイトルは『それでも俺は、妻としたい』のようです。
足立監督の役を濱田岳が演じるという。
風貌は似ているのだろうかと検索してみたら、私は足立監督のほうがアリやな。
本作の濱田岳は相当キモいです。すみません。(^^;
結婚して10年の夫婦・豪太(濱田岳)とチカ(水川あさみ)。
脚本家として鳴かず飛ばずの豪太の年収はたった50万円。
5歳の娘・アキ(新津ちせ)を抱え、生活費はチカのパート頼み。
豪太が口を開けばチカに怒鳴られ、セックスさせてもらない。
かといって愛人を囲う金も風俗に行く金もなく、悶々とする毎日。
ある日、四国を舞台にした映画の話が持ち上がり、
うどん打ち名人のアイドルの取材依頼が舞い込む。
依頼と言っても予算はなく、自腹で行けというもの。
しかし上手く行けばその映画の脚本を豪太が書くことになるかもしれない。
車の免許を持っていない豪太は、ひとりで行っても現地を回れない。
おそるおそるチカに声をかけ、取材がてら家族旅行しようと言ってみるのだが……。
水川あさみの毒舌ぶりがサイコーです。
劇場内では結構笑いが起きていましたが、すべて水川あさみのキレっぷりに対して。
まだまだ新婚さんなのに、こんな役を演じて大丈夫なのかと心配になるほど(笑)。
いつのまにか売れっ子になってちょっとエラそうな脚本家に宇野祥平、
挙動不審の豪太を交番へひっぱる警官に黒田大輔、
なかなか楽しいキャストです。
脚本家ゆえ、映画の話もちょこっと出てきますから、映画好きの人はより楽しいかも。
「女なのにペキンパーが好きって珍しい」とか。サム・ペキンパーのことです。
ようやくさせてもらえることになった豪太が、
「今夜はデル・トロになるよ。佐藤浩市のほうがいいかな」とか。
この場合のデル・トロは、ギレルモ・デル・トロではなくて
おそらくベニチオ・デル・トロのほうだろうと思うのですが、
ベニチオ・デル・トロになってもええのんか。笑いました。
何か考えさせられる深い作品というわけではありませぬ。
ただ「したいんだ!」という豪太の執念を見て笑うだけ。
よく耐えたなぁ、なんだかんだでいい奥さんだなぁと思う人が圧倒的に多いでしょう。
PG12作品ですが、お子様を連れて行ってはいけません(笑)。