『やがて海へと届く』
監督:中川龍太郎
出演:岸井ゆきの,浜辺美波,杉野遥亮,中崎敏,鶴田真由,中嶋朋子,新谷ゆづみ,光石研他
TOHOシネマズ西宮にて3本ハシゴの3本目。
この日のハシゴは『ベルファスト』→『ガンパウダー・ミルクシェイク』→これ。
前の2本はサイコー。これだけちょっと寝ました。ごめんなさい。
私はお初の中川龍太郎監督。
大好きな宮下奈都の『静かな雨』も映画化しているのに、なぜか観る機会を逸して。
まだ32歳とのこと。期待の新鋭というところでしょうか。
湖谷真奈(岸井ゆきの)はホテルのダイニングバーでフロア責任者を務めている。
ある日、真奈の知り合いだという客が訪ねてくる。
会いに行ってみるとそれは遠野敦(杉野遥亮)だった。
敦は真奈の親友だった卯木すみれ(浜辺美波)のかつての同棲相手。
すみれの荷物を整理することにしたから真奈にも見てほしいと言う。
ふたりはすみれの実家へそれらを届けに行くのだが……。
だいぶ端折りました(笑)。
途中で睡魔に襲われたせいもあり、真奈とすみれの出会いのシーンが
どこに挟み込まれていたかあやふや。
そのシーンはちゃんと記憶しているのですが、
時系列をどのように入れ替えて描かれていたか覚えていないのです。(^^;
引っ込み思案な真奈と正反対の性格のすみれ。
大学へ入学してすぐにキャンパスで出会い、親友になります。
なかなか人と打ち明けられない真奈にとっては、すみれとの時間がすべて。
一緒に暮らしていたのに、すみれは突然敦と同棲を始めてしまう。
予備知識なしに観たため、最初はどういうことかわからない。
真奈と敦がすみれの荷物を見るシーンは形見分けのようだけど、
真奈はすみれが亡くなったことすら受け入れていない様子で。
すみれの実家を訪ねれば、母親(鶴田真由)はいかに母子の仲が断絶していたかを話す。
これって、すみれは行方不明になったか自殺したのかと思っていたら、
一人旅に出た彼女がそこで津波に遭っていたのですね。
真奈が信頼を置いていた上司・楢原(光石研)も命を絶ってしまって、
気持ちの整理をいかにつけるかという話だとは思うのですが、
すみれの笑顔があまりに作り物っぽいと感じました。
カメラのファインダーを通してしか人としゃべれない、
ずっと作り笑いをしていたすみれのことなのだから、その作り物っぽさこそ正解か。
彩瀬まるの原作は未読です。読んでみようと思う。
でも震災の話に絡めなくてもよかったのではと思ってしまいます。