『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』
監督:菅原伸太郎
出演:竹内涼真,高橋文哉,堀田真由,板垣李光人,窪塚愛流,橘優輝,
吉柳咲良,須賀健太,味方良介,黒羽麻璃央,吉田鋼太郎他
まったくついていけなくて放心した『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』。
気を取り直し、同じくイオンシネマ茨木にてレイトショー。
これもコミックが原作なのかと思っていましたが、そうじゃないんですね。
日本テレビとHuluの共同制作によるTVドラマとのこと。
2021年来、Season1からSeason4まであって、その間にはスペシャル版もあった模様。
私はいつものごとくこの劇場版でお初にお目にかかります。
砂浜でプロポーズしようとしていたある日、エンストして困っているデート中のカップルを見かける。
響はそんなことは放っておいて早くプロポーズを進めたいのに、来美は「助けてあげれば」と言う。
仕方なく手を貸す響に、彼女の前でいい格好をしたい大和は喧嘩腰。
無事に修理を終えて帰るときも大和は不機嫌な顔。響と来美に頭を下げ通しの葵。
この後たぶん月日が経過するのですよね。
響と来美が結婚したのかどうかこの劇場版ではわかりませんが、
とにかくふたりの間に「ミライ」と名づけられた娘が生まれたことはわかります。
そして、来美がゾンビウイルスに冒されてゴーレムと化し、響の手で命を絶たれたことも。
ゴーレムがうようよ徘徊するなか、唯一安全な環境下にある超高層タワーの上階。
来美が産んだミライは抗体を持っているらしく、ミライの血液からワクチンを作ろうとしているのだ。
ユートピアにミライが囚われていることを知った響は、地下から侵入を試みる。
地下にはまだゴーレム化していない人々が集まって生活している。
上階への侵入経路を確かめに来た響をみんなして痛めつけようとするが、響は動じない。
葵を探すためにユートピアへたどり着いた大和と再会し、
また、ワクチンを入手すべくやってきた藤丸礼司(窪塚愛流)らが、上階を目指して行動を開始するのだが……。
テレビでいいかなとは思うものの、高層タワーでのアクションシーンは大きな画面で観るのが良し。
本作を観て帰宅したとき、偶然テレビでスタッフの方のひとりが話しているのを聴きました。
テレビだとグロさの演出に限りがあるから、映画のほうが思うぞんぶん特殊メイクができるのだとか。
確かに、ゴーレムの見た目はかなりグロいです。
菅田将暉は主題歌を歌っているだけかと思ったら、ジンの兄役で特別出演しています。
もとは医者でワクチンをつくる側の人間だったのに、そのワクチンのつくり方に人道的問題ありと唱えたら治験対象にされ、
今は死ぬに死ねないゴーレムとして生かされている。なんとも切ない役です。
こんな役でもちょうどいい具合に存在感を発揮するのですねぇ、彼は。
ひとりの命を救うのか、人類の命を救うのか。
だけど、人類の命が大事だと言っている西条は、自分の命があって金儲けさえできればいいと思っている様子。
世のため人のために薬やワクチンを開発している人も多いのでしょうが、結局そこには金がついてまわる。
周囲がみんなゾンビになっても人間として生きたいか、
ゾンビになっちゃうくらいなら人間のまま死ぬほうがいいのかどうかはゾンビものを観るたびに思うこと。
ネタバレになりますが、ミライを救うにはこうするしかなくて、死ねないまま時を過ごしていた響。
彼の心に思いを馳せるとかなり切ない。