夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『アンチャーテッド』

2022年02月23日 | 映画(あ行)
『アンチャーテッド』(原題:Uncharted)
監督:ルーベン・フライシャー
出演:トム・ホランド,マーク・ウォールバーグ,ソフィア・アリ,タティ・ガブリエル,
   スティーヴン・ウォディントン,ルディ・パンコウ,アントニオ・バンデラス他
 
イオンシネマ茨木にて、封切り日に鑑賞しました。
 
元ネタはソニー・インタラクティブエンタテインメントのゲーム。
2007年から2016年にかけて計5作発売された世界的人気ゲームとのこと。
ゲーム界のアカデミー賞と呼ばれる賞も受賞した名作らしい。
今はこうして映画を観るのに忙しくてゲームまでは手が回りませんが、
老後に頭と目がついていきそうであればやってみたいですねえ。
 
ネイトことネイサン海洋冒険家フランシス・ドレイクの末裔
バーテンダーをしながら一流の盗みの腕前でちょこまかと稼ぎつつ、
幼少期に生き別れた兄サムの行方および50億ドルの財宝を見つける夢を捨ててはいない。
 
そんなネイトに近づいてきたのはトレジャーハンターのサリーことサリヴァン。
信用していいのかどうかわからないが、サリーはサムの友人だったと言う。
ならばとサリーとコンビを組んで財宝探しの旅に出ることにしたネイト。
 
まずは、財宝を見つけるために不可欠の金の十字架が出品されるオークション会場へ。
ネイトが考えた万全の計画で十字架を盗み出すはずが、
それを阻もうとする冷酷な大富豪サンティアゴ・モンカーダが現れて……。
 
サリーにはデコの皺が気になるけれど私はやっぱり好き、マーク・ウォールバーグ
モンカーダにはアントニオ・バンデラスが扮しています。
ネイトとサリーと組むトレジャーハンター(♀)、クロエ役にソフィア・アリ。
モンカーダが傭兵として雇うジョー(♀)にはタティ・ガブリエル。
この女ふたりが食えんこと。強すぎるうえにズルすぎます(笑)。
こいつらをギャフンと言わせてくれ!と思っていたらその通りになって、スッキリ。
 
こんなん無理やろ!なシーンの続出ではありますが、単純に楽しい。
めっちゃ面白いわけではないんですけれど、憎めません。
ネイトとサリーのコンビが楽しくて、これもまた続編ありですな。
 
観客を楽しませようとしているのが伝わってきて、好感度高し。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ウエスト・サイド・ストーリー』

2022年02月22日 | 映画(あ行)
『ウエスト・サイド・ストーリー』(原題:West Side Story)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:アンセル・エルゴート,レイチェル・ゼグラー,アリアナ・デボーズ,
   マイク・フェイスト,デヴィッド・アルヴァレス,リタ・モレノ他
 
前述の『グレート・インディアン・キッチン』の次に、同じくイオンシネマ茨木にて。
 
説明は要らないですよねぇ。
もとは1957年に発表されたブロードウェイミュージカルで、
初の映画化だった1961年の作品は大ヒット。不朽の名作との声が高い。
 
スピルバーグ監督がリメイクに興味を持ったのは今から10年近く前らしい。
そのときさっさと映画化の権利を取得し、脚本家が執筆にも取りかかったそうです。
なぜリメイクしたいと思ったのか、映画に興味を持った世代的なものなんですかね。
 
設定はオリジナルと同じです。たぶん。
時代は1950年代だし、舞台もニューヨークのウエストサイド・マンハッタン。
場所を変えちゃったらタイトルまで変えなきゃいけませんもんね(笑)。
 
ポーランド系アメリカ人の不良グループ“ジェッツ”のリーダー、リフ役はマイク・フェスト。
プエルトリコ系アメリカ人の不良グループ“シャークス”のリーダー、ベルナルド役はデヴィッド・アルヴァレス。
ジェッツの創設者だが釈放中の身のため、
今はジェッツから距離を置いている主人公トニーにアンセル・エルゴート
ベルナルドの妹で、トニーと恋に落ちるマリアにレイチェル・ゼグラー。
 
オーディションで選ばれたというレイチェルはもちろん素晴らしいんですが、
それ以上に目を惹かれたのが、ベルナルドの恋人、アニータ役のアリアナ・デボーズ
彼女のダンスが最高です。
 
半世紀以上経っても移民の争いはあるんでしょうか。あるんですよね。
ジェッツのメンバーになりたいのに認めてもらえない人物が性同一性障害という設定は今ならでは。
 
オリジナルに思い入れも何もないので、リメイクもこんなもんかな程度。
ただ、オリジナルでアニータ役を演じたリタ・モレノが、
トニーの更生に手を貸すバレンティーナ役で出演していたのには驚きました。
90歳には全然見えなくて、その若さにビックリです。
 
両グループの出演者の中から何人が俳優として売れるのか、それが気になります。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『グレート・インディアン・キッチン』

2022年02月21日 | 映画(か行)
『グレート・インディアン・キッチン』(原題:The Great Indian Kitchen)
監督:ジヨー・ベービ
出演:ニミシャ・サジャヤン,スラージ・ヴェニャーラムード,T・スレーシュ・バーブ,
   アジータ・V・M,シッダールト・シヴァ,アヌパマ・V・P他
 
シネ・リーブル梅田で先月見そびれました。
イオンシネマ茨木でも上映するからいいやと思っていたら、
1週間の限定上映で、1日1回、15:40の回のみ。
致し方ないので、半端に刻んで使ってしまった時間休の残りを当てて鑑賞。
 
台所で鍋を持ってニッコリする妻を後ろから抱きすくめる夫。
HPトップに現れるこんな幸せそうな画像を観たら、
詐欺ですよ、この画像(笑)。とんでもない話でした。
 
インド南西部のケーララ州
教職に就く名家の男性と中東で教育を受けたダンサーの女性がお見合い結婚をする。
幸せな暮らしが待っているかと思いきや、
妻に求められるのはすべての家事と夫の身勝手なセックスに応えることで……。
 
あらすじに書くとこれだけです。
 
バーレーンの首都マナーマで育った妻は、都会的な感覚を持っています。
姑が自分の娘のお産を手伝いに行って留守にした折、
舅と夫のための家事がまるごと妻の身ひとりにふりかかる。
炊飯器や洗濯機を当たり前のように使っていたら、
飯は釜で炊け、洗濯機は服が傷むから手で洗えと言われる。
 
仕事をしたいといえば、この家にふさわしくないから応募するな。
専業主婦は官僚よりも尊い仕事だぞ、などと言いながら、
お茶の1杯も自分で注ごうとせず、歯ブラシまで持って来させる舅。
名士なんだからさぞかしマナーにうるさいのだろうと思うと、舅と夫の食べ方の汚いこと。
食べカスは皿の上ではなく食卓の上に直置きにしやがる(笑)。
 
前日の残りものは手を変えて調理し直したところで絶対に食べないし、
時世にまったくそぐわないフードロス。
毎日大量に出る残飯の悪臭に嘔吐いてしまいます。
おかげで配管が詰まっても、夫は自分で直さないし、業者を呼ぶ呼ぶと口先ばかり。
 
客人で料理のできる男性がやってきて、妻の代わりに料理してくれると言う。
美味しい料理を作ってくれたのはいいけれど、後片付けまではしないから、
壮絶な汚れっぷりの台所を見て妻は愕然とします。
食事後に談笑する家人と客人からゆっくりしろと言われ、「片付けがあるから」と断ると、
「全部やってやっただろ。今さら何の片付けがあると言うのだ」。
もうほんと、呆れるしかない。
 
こんなに男どものために働いているというのに、
生理が来たと告げると不浄なものとして薄暗い部屋に閉じ込められる。
男性だけがそういう扱いをするのではなく、それが当然と思っている女性も多い。
妻が親や兄弟姉妹にぼやいても同意は得られません。
 
どうしてこんなに我慢するの。早く逃げて。ずっとそう思って観ていました。
『めぐり逢わせのお弁当』(2013)を観たときに感じた理不尽さ。
本作ではより強くそれを感じます。
やっぱりどうしようもないのねと思わされて終わるインド作品もありますが、
これはその点、少しはスッキリ。まだまだ足りませんけれど。
 
詐欺みたいな、というのか、思いっきり詐欺の画像で誘うのは止めて(笑)。
こんな考えの男たちはとっとといなくなればいい。
ひとりでは生きて行けなくなって飢え死にしろ!とマジで思う。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』

2022年02月20日 | 映画(さ行)
『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』(原題:The United States vs. Billie Holiday)
監督:リー・ダニエルズ
出演:アンドラ・デイ,トレヴァンテ・ローズ,ギャレット・ヘドランド,ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ,
   ローレンス・ワシントン,ロブ・モーガン,ナターシャ・リオン,トーン・ベル,エリック・ラレイ・ハーヴェイ他
 
109シネマズ箕面にて、前述の『嘘喰い』とハシゴ。
 
上限3時間のサービスしか受けさせてくれないから、
2本ハシゴするときも、1本目と2本目の間にいったん出庫しなくちゃいけない。
現在はその上限を撤廃して特別対応ではない当然のサービスとして受けられます。
それにひきかえ……(怒)と心の中で文句を垂れながら入庫し直して鑑賞。
 
黒人の女性ジャズシンガー、ビリー・ホリデイの人生を映画化した伝記ドラマ。
監督は『大統領の執事の涙』(2013)のリー・ダニエルズ。
原作もありまして、ヨハン・ハリの全米ベストセラー『麻薬と人間 100年の物語』。
 
本名はエレオノーラ・フェイガン。ビリー・ホリデイは1915年生まれ。
10代半ばに至る頃にはナイトクラブで歌いはじめ、
20代に差しかかると“カフェ・ソサエティ”の専属歌手として活躍。
そして、アメリカ南部の人種差別について歌った『奇妙な果実』という曲が大ヒット。
 
大人気歌手になっても、ホテルや飲食店で差別を受けることは変わらない。
マイルス・デイヴィスと同じですよね。
黒人専用のエレベーターって、意味がわからない。なぜこんなものが存在するのか。
 
ビリーの歌が公民権運動に影響することを恐れる政府は、
なんとか彼女の粗を探し出して彼女を潰そうとします。
ヘロインの常習者だった彼女を挙げることはそう難しいことではないと思われますが、
麻薬取締局の長官アンスリンガーは、麻薬撲滅を謳いつつ、
本音は麻薬以上に黒人をこの世から消し去りたい。
 
ビリーを叩くために利用される黒人捜査官ジミー・フレッチャー。
ファンになりすました彼をビリーに近づけて彼女の身辺調査をおこなわせます。
見事成功してビリーを挙げ、出世したように見えても、
アンスリンガーの下では結局使い捨て。黒人はただの道具として扱われているのです。
 
恋多き女でもあった彼女が時を一緒に過ごした男性たち。中には女性もいる。
いつのときも彼女のそばにいた仲間たち。
ビリー役のアンドラ・デイの圧巻の歌を挟みながら、彼女の人生が描かれます。
 
アレサ・フランクリンもビリー・ホリデイも子どもの頃にレイプされていたというのは衝撃的。
こんな過酷な日々を生き抜けたのは、ドラッグのおかげだとは。
 
それにしても当局の執拗さと言ったら。
1930年代に通らなかった「黒人へのリンチを禁止する法案」が
今も通っていないという事実に驚きました。
 
44歳の若さでこの世を去ったビリー。何を思っているでしょうか。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『嘘喰い』

2022年02月19日 | 映画(あ行)
『嘘喰い』
監督:中田秀夫
出演:横浜流星,佐野勇斗,白石麻衣,本郷奏多,森崎ウィン,
   櫻井海音,木村了,鶴見辰吾,村上弘明,三浦翔平他
 
109シネマズ箕面にて、平日の仕事帰り、ヨレヨレになりながら2本ハシゴ。
その1本目に観たのが本作でした。
 
『週刊ヤングジャンプ』に2006年から2018年まで連載されていた、
迫稔雄の人気漫画を中田秀夫監督が実写映画化。
原作は読んだことがないので、比べようもありません。
 
“倶楽部賭郎(かけろう)”は、さまざまな闇ギャンブルを仕切る組織。
相手にバレなければどんなイカサマもOKというルールのもと、
裏社会の人間はもちろんのこと、日本の財政界の人間までも会員になって、
日々巨額を賭けたギャンブルがおこなわれている。
 
“嘘喰い”の異名を持つ天才ギャンブラーの斑目貘(横浜流星)は、
賭郎の頂点であるお屋形様の座をいただこうと勝負に挑んで敗北を喫す。
通常、敗者は命を奪われるものだが、奪う価値もない命だと蔑まれ、
会員権を剥奪されて街を出ることに。
 
数年が経ち、新たに屋形越えを狙う者が現れたとの噂が貘のもとへ届く。
その人物とはかつて世紀の発見をなしとげた研究者・佐田国一輝(三浦翔平)。
世界に羽ばたく発見だったにもかかわらず、
研究所が不運な火災事故に遭い、佐田国の部下は全員死亡していた。
その佐田国がなぜ賭郎に現れたのか。
 
賭郎に戻ることを考えた貘は、なんとか会員権を手に入れることを目論む。
ちょうどそのとき、闇金から逃げる青年・梶隆臣(佐野勇斗)を救い、
すっかり梶に懐かれた貘は、梶に会員権を取らせて賭郎に乗り込もうとするのだが……。
 
漫画が原作の物語って、登場人物の名前が特徴的ですよね。
本作でも主人公はまだ控えめなほう(笑)。
賭郎のギャンブルの場で立会人を務める2名の名前は、
夜行妃古壱(やこうひこいち)(村上弘明)と目蒲鬼郎(めかまきろう)(本郷奏多)だし。
前者の夜行に関しては昨年スピンオフが出ているそうで、確かにこの人の話は面白そう。
 
闇ギャンブルだとしても、そのイカサマを見抜く過程を私は見たい。
期待外れに終わりそうな予感がありましたが、まぁまぁ、納得できたような気も。
佐田国との対決前、徳井優演じる殺人大好き金持ちジジイと賭けをするとき、
貘と梶ちゃんコンビがハンターから逃げるところのほうが面白かったかな。
ジジイに飼われていた巨人ロデム/マルコ(野村祐希)を救うところも好きでした。
ヤクザの女組長、鞍馬蘭子役の白石麻衣も可愛かったし。
 
ギャンブル映画としては2019年の私のワースト5入り、
『映画 賭ケグルイ』(2019)よりは楽しめました。
とはいうものの、おそらくこれは原作ファンの間では非難囂々では。
なんというのか、半端に漫画チックなんです(笑)。わざわざ実写にせんでも。
中途半端って、最近の映画のキーワードになりそう。(^^;
 
これも続編を狙っているのでしょうねぇ。
何がどうなろうが映画であれば私は観ると思いますので、お好きにどうぞ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする