マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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奈良豆比古神社神事相撲

2005年10月19日 07時45分15秒 | 奈良市へ
神事相撲は豊作に感謝して神さまに奉納するもので、各地の秋祭りに見られます。

しかし、実際に取り組んで勝敗を競うという形式よりは芸能的な色彩が強く、取り組みの真似をしたり、回ったりする舞の所作が見られます。

奈良市奈良阪町の奈良豆比古神社秋祭りの夜、拝殿に「スモンノモチ」と呼ばれる円錐形の餅とザクロが供えられます。

スモンノモチはウルチ米と少々のモチ米を混ぜて炊き上げたものを晒し、袋に詰めて叩いて円錐形に仕上げられています。

宝貴殿に地域の祭礼組織の主要メンバーである老寿と呼ばれる人たちが集まり、社殿下の篝火の前に二人の力士が登場しします。

力士は老寿になって三年目、二年目の人から選ばれます。ふんどし姿の力士は宮司から大きなサカキの枝を受け取ります。

宮司が「みあってー みあってー みあってー ほーぉい」の掛け声を発し、もっていた御幣を上にあがると同時に力士はサカキを頭上に掲げます。

力士は「ほーぉい ほーぉい」と叫びながら別々の方向に拝殿の周りを回ります。

「ほーぉい」の掛け声は稲の穂が多いという意味だそうです。

再び、宮司の前に来ると掛け声がかけられ、三度回ります。最後に拝殿の正面の位置で宮司にサカキを返して奉納を終えます。

そして、無事終えたことを老寿に報告して終わり、円錐形のスモンノモチがその年に生まれた子どもたちに手渡され、神さんから祝福されます。

(H17.10.9 Kiss Digtal N撮影)