マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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水間町八幡神社奇妙な田楽

2005年10月22日 08時48分58秒 | 奈良市(東部)へ
奈良市東部の山間部の秋祭りでは田楽と呼ばれる中世からの芸能の奉納が数多く見られます。

多くの場合、ササラや太鼓などの楽器を奏でるものですが、奈良市水間町の八幡神社では一風変わった田楽の奉納がされます。

深夜近く、地区の演芸会が終わると、同神社の集会所でお祭りの主役である六人の当人と呼ばれる方々が、素襖(すおう)を着て大きな御幣を背中に着けてきます。

当人はお祭りの前に子供が生まれた方が務めます。

お祭りのもう一方の主役は当屋があたり、大きな松明を先頭に同神社までのお渡りが始まります。

行列は松明のあと、御幣や太鼓が続きます。

神社の長い階段を登って到着すると、当屋は御幣を持って神社に参拝します。

当屋は扉を開け放った神社の社務所の縁側に並ぶ当人へ御幣でお祓いを21回もします。

御幣のお祓いを終えると松明の火を七輪に移し、氏子の代表者が社殿に御幣を奉納し、いよいよ田楽が始まります。

七輪の上に素焼きの焙烙(ほうろく)皿を乗せ、周りを氏子らが団扇で煽いでぐるぐると回ります。

なんとも不思議で奇妙な田楽です。

田楽所作の所以は判りませんが、水間地区は中世から芸能が盛んな土地柄であって、能や狂言などの芸能の内容の中身が入れ替わったものと考えられています。

(H17.10.9 Kiss Digtal N撮影)